ヘリオトロープの花束を抱え (ページ10)

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ヘリオトロープの花束を抱え　7 ページ10

「……わかりました。では休憩にいたしましょう。
お茶をご用意しますね、副会長様」

少し間があり机上の紙の束にかじり付いていた敬人が頭をゆっくりと上げて茉莉達を見やった。
「手を動かせ、、、と言いたいが。」
自身の腕元を確認して瞠目し、
「確かに頃合いだな。姫宮と同じとまでは言わんが、俺も集中力が切れてきている」
「効果的な休息は作業の効率を高める。
……10分程度なら業務に支障はきたさないだろう」

軽く伸びをする敬人(副会長)にうっすらと微笑み満足そうに弓弦は返事をした。

「「では準備を致します」」

、、、、、

「花依さん、ここは私が準備をしますので、どうぞ、お座りになってくださいまし」

「お気遣いありがとうございます。ですが今日はジャスミンを用意させてもらっていますので、私がお茶の方を淹れます。伏見さんこそ、どうぞ書類整理を進めてください」

わあ、この前英智様が淹れていたやつだ、
とってもとっても美味しそうなやつだ、
主人が飲みたいと言っているものを出さない訳にはいかないが、この場を譲るのも尺に触る。弓弦の紫苑の眼が揺ら揺らと動く。

「いい匂いがするんだ。弓弦もきっと気にいるぞ」
「わかりました……悔しいですが(ぼそっ) 今回は貴方に譲りましょう。私はお菓子の方を用意致します」

「はあ、きりがない。次から次へと書類が飛び込んでくる。新年度だからか、まったくもって度し難い」

眉間を手で揉みながらくどくどと不満を洩らす敬人の書類をまとめて休息を摂る支度を進めていた茉莉。

「お疲れですか、蓮巳様。眼球疲労には蒸しタオルが良いと聞きますが、ご用意しますか」

「いらん」

「承知しました。ジャスミンティーとお菓子ですが、マドレーヌとパウンドケーキ、どちらをお召し上がりになりますか？」

「両方もらおう」

「はい」

「英智の様子はどうだ？」

「今日は体調が良いようで、安心しました」

「そうか、お前も音楽科の授業があるというのに引っ張り出してきて申し訳ない」

「そんな、とんでもございません。英智様が代表を務める組織のお手伝いをさせていただけるなんて光栄です」

「英智はお前(にあ)の扱いが雑なところがあるからな」

「そのお話はここではお辞め下さい。

それより蓮巳様、体が固くなっておられます。簡易ですがマッマサージをさせて下さい」

コンコンコン
「遅れてほんとにすんません！って、あれ、休憩中っすか？」