#14 ページ16
お昼前、中庭の薔薇を見ていると見事に咲いていた。
「わぁ、すごいっ……」
赤と白の2つの色が素晴らしく美しい。
薔薇は素敵だけど独り占めするのには勿体ないわね。
他の誰かにも見てもらいたいわ。
そう思っているところんとるぅとが通りかかるのを見かけたので声をかける。
「ころん！るぅと！」
「なにかご用ですか？お嬢様」
るぅとが穏やかに微笑みながらそう言う。
「用というほどのことではないんだけれど、薔薇を1人で見るのが勿体なくてね」
そう言って私は「暇だったら一緒に見ない？」と誘うと2人は顔を見合わせ頷く。
「ちょうど一段落したのでご一緒させていただきます」
「誘ってくれるのに断るのは逆に失礼にもあたりますし！」
微笑んでそう言ってくれる2人。
「お嬢様は好きな薔薇の色とかあったりするんですか？」
ころんが庭の薔薇を見ながら私に問いかけるので私は素直に答える。
「うーん、白かなぁ」
赤やピンクも好きだけどやっぱり白薔薇かな。
「お嬢様にピッタリの花言葉ばかりですよね」
るぅとって花言葉も知ってるのね。確か白薔薇の花言葉は。
「純潔、純粋、私はあなたに相応しい、深い尊敬？」
私は自分が純潔とか純粋とか思ったことないけど。
「お嬢様は純潔で純粋で僕たちが尊敬する主ですよ」
ころんも大袈裟な気がする。
「枯れた白薔薇の花言葉を知っている？」
「「？いえ」」
白薔薇には枯れた場合にも意味がある。
「枯れた白薔薇の花言葉は『生涯を誓う』……だよ」
「「……」」
2人とも黙っちゃった……。
「「(その言葉を送りたいのは、貴女へだけ(だよ)です)」」
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作者名：楓乃子 | 作成日時：2024年4月15日 16時
