第41話 ページ46
「ネロ様！？」
誰よりも先に声を発したのは、ベロニカだった。
『ベロニカ、会いたかったよ！だけど先に、こっちをどうにかしなきゃね・・・ねぇ、ボクの代わりに王を置いているのに、とても残念な頭の王子じゃない？そうは思わない、王様？』
「・・・申し訳ありません」
王は立ち上がり、深々と頭を下げた。
『・・・なんてね。本当に悪いのは、いい年して相手の真意も見抜けないバカ王子と、その泥棒猫でしょ？』
「なっ・・・！」
「わ、わたくしが嘘をついてると言うんですの！？」
『・・・？ついてるじゃない？いじめにあった被害者みたいな顔をして、ね。加害者さん』
ネロが指を鳴らすと、目の前に大きなスクリーンが現れた。
“あら？わたくしの靴が・・・見当たりませんわ”
暫く捜索するベロニカは見つけた。
ゴミ箱に入っていた、靴を。
“っ！”
“ねぇ、何とか言ったらぁ？びしょぬれになっちゃって、かわいそー！”
“・・・もうおやめくださいませ。こんなことしても、意味なんてありませんわ”
“え？ゴミ雑巾が何か喋ってるぅー”
雑巾を頭にぺちぺちと叩きつけるリュンヌと、されて目を瞑っているベロニカ。
“ブスのくせに生意気なのよ！”
リュンヌはベロニカの足を蹴り上げた。
『・・・で？これは何かな？』
「そ、それは・・・！でたらめですわ、ネロ様が捏造したんですのよ！」
「な、何を言うんだリュンヌ！」
『捏造？笑わせないでくれる？キミがやったんじゃないか。こうやって足を蹴り上げて、楽しかった？嘘ついて貶めて、楽しかった？』
コツコツと足音を鳴らして歩くネロ。
『それとも、何？キミはボクが嘘をついていると？』
ネロはニコニコ微笑んでいる。
だが目が笑っていない。
『なんなら証拠だってある。ベロニカ。その足の傷はいつできたの？』
「っ！これは・・・！」
ファンデーションで隠された肌には、うっすらと痣が見える。
『・・・注意されて怖かった？ふざけないでくれるかな？苛ついたの間違いでしょ？』
言うと、ネロはリュンヌの足を蹴っ飛ばした。
しゃがみ込んだリュンヌの首元を掴んで一本背負いを決め込む。
「いッ！」
『国外追放はキミだ。もう2度とボクの国の土を踏むな』
「そ、そんなのおかしいですわ！だってわたくし、悪くありませんわ！確かにいじめられていたのじは嘘ですわ。でも、注意が怖かったのは事実ですもの！」
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スイ - チョコさん» 蒼と翆ですか？ (2021年1月10日 19時) (
レス) id: aafce01704 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 主人公の名前をです！ (2021年1月5日 11時) (レス) id: 0af90dc59f (このIDを非表示/違反報告)
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スイ - 桔梗さん» 解りました！今はテスト期間で忙しいので、終わったらやりますね！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: c26352c883 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 名前を変換できるようにしてほしいです! (2020年10月5日 8時) (レス) id: a618904336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スイ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suinatsu/
作成日時：2020年9月17日 0時
