第4話 ページ4
「あ、課題ありがと〜」
上機嫌で課題を取っていく女子達。
――全部間違ってるんだけどね。
後ろでニヤリと笑う少女。
――おっと危ない。顔に出てた。
なんて考えながら窓の外を見つめる。
今日、ボーダーの人達は休みだ。
何かボーダーですることがあるらしい。
この間のゲートの問題だろうな、と推測する。
チャイムが鳴った。
1限目、数学�供�
少女は黒板に映し出される問題の答えが全て解る。
この少女はニンゲンと比べ、遥かに長生きしているからである。
――嗚呼、つまらないな。
少女は窓の外を見つめた。
涼しい、というより寒い風が教室内に入り込み、少女の髪を揺らす。
ふわふわと少女の髪が踊った。
ふと、ここからボーダーが働いているのが視えるのではないか、と考えた。
可能性はある。
『アイサイト・ストレングスニング』
小さく呟くと、少女は町の様子を視た。
一応少女はボーダーのB級の隊とそれ以上の人達は知っている。
――おお、以外とやるなぁ。
「・・・い、おい、星月！」
教師が大きな声で名前を呼ぶ。
少女は顔を動かさず、目線だけ教師に向けた。
「何してた？」
『・・・？大きな音がするので、ボーダーの人達が働いてくれているんだなぁと感じてただけですが？』
「ほう？俺の授業より楽しそうだったか」
――当たり前でしょ、何が楽しくて知ってること延々と聞かなくちゃならないの？
ツッコミを入れたくなるがぐっ、と喉に押し留めた。
「そんなお前にプレゼントだ。この問題を解け」
この問題、と言っても黒板に書いてあるわけではない。
教師が思いつきで今出した問題だ。
恐らく、少女が話を聞いていなくて問題を写していないとでも思ったのだろう。
――そんなの、写していなくても解けるよ。
「問1：x¹⁰⁰＋1をx−1で割った時の余りを求めよ」
「問2：P(x)をx−2で割った余りが5、
x−3で割った時の余りが7のとき
P(x)を(x-2)(x-3)で割った余りを求めよ」
いじめ(？)ている女子達が少女の方を見てクスクス嗤った。
少女は答えた。
『問1は2、問2は2x＋1』
前の男子が驚きの声を上げる。
ノートに写してないのに、と。
教室内でざわめきが起こった。
―――――
作者は中学生なので高校の問題は解りません！
この問題はベネッセからお借りしました！
「複素数と方程式」です。
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作者名：スイ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suinatsu/
作成日時：2020年9月17日 0時
