年下84 ページ35
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全く。
「……何に勝つって言うのよ」
そう言いながらも笑ってしまうあたり、私は御幸に甘いんだと思う。
「……でも二度と無いんだろうな…」
あんなイケメンに好かれるなんて。
澄み渡った空を見上げながら思わず出たため息。
するとふいに「先輩」と呼ぶ声がベンチに響いた。
その声に振り返ると幸子がさっきとは対照的に、真剣な眼差しでこちらを見ていた。
「あれ?幸子?どうしたの?」
確か幸子の分担は現役チームのスコアだったはず。
だから本来なら向こう側にいなければいけないのだが…
そんなふうに私が不思議に思っていると再び「先輩」と呼びかけられる。
「本当はどっちなんですか」
暫く見つめあってから出てきた答えは「え?」だった。
「ど、どっちって?」
「亮介先輩と御幸ですよ」
見てるこっちが可哀想なんです。
私が返答に困っていると先に幸子が話し出す。
「別に御幸が好きとかは全く無いっていうかいつもウザイことばっか言ってきて逆に恨んでるっていうか…」
でもやっぱ仲間なのには変わりは無くって。
アイツがいつも先輩のこと目で追ってるの見ると本当何でって思っちゃうんです。
「昼休みだって食堂で先輩と亮介先輩が一緒に仲良さそうにしてるの見えてるのに顔色一つ変えずに他のメンバーと話してて」
廊下でお会いした時だってさっきだって。
平然装って無理してて。
「だから嫌いならちゃんと振ってあげてください」
仲間としてそーゆー無理したアイツの顔見るの嫌なんです。
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「……わかった」
そう言った私の声は
今までで一番小さくて一番情けないものだったと思う。
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アクアブルー(プロフ) - ☆サヤ☆さん» こちらこそコメントいつも本当にありがとうございました…!!サヤさんのおかげでここまで来れたと言っても過言ではありません…!毎回更新不定期になる度にサヤさんのコメントを励みに頑張ってて(笑)最後まで見てくださってありがとうございましたm(_ _)m (2017年1月27日 18時) (レス) id: b5b5133db5 (このIDを非表示/違反報告)
☆サヤ☆(プロフ) - 完結おめでとうございます!毎回どうなるのかと楽しみでした!ホントに楽しめました!他の作品も楽しみにしてます。お疲れ様でした!そしてありがとうございます (2017年1月27日 6時) (レス) id: 1e1963d5bb (このIDを非表示/違反報告)
アクアブルー(プロフ) - shinox2さん» すみません…!次出てくるのでしばしお待ちを…!! (2016年12月27日 8時) (レス) id: b5b5133db5 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 付き合っちゃった?!あれ?御幸どこいった?(^^; (2016年12月26日 23時) (レス) id: 2f52f37027 (このIDを非表示/違反報告)
アクアブルー(プロフ) - 希望さん» コメントありがとうございます(^-^)/そんなこと言っていただけるなんて…!!本望です…!ありがとうございます(*^^*)ご期待に添えるような作品になれるように頑張らせていただきますのでどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年12月26日 20時) (レス) id: b5b5133db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アクアブルー | 作成日時:2016年8月28日 21時