【◇】年下はお断りです 2

年下76 ページ27

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「……まあちょっとね」

「えっ」




本当の本当に痛いんだ…

小湊のちょっとはちょっとでないことなんて知っている。






「私、監督にどうしたらいいか聞いて…」

「聞かなくていいよ」






立ち上がろうと腰を浮かすと相手に有無を言わさない声が飛んできた。






「今お前が言ったら監督は間違いなく明日俺を出さない」





黙って小湊が発する一言一言に耳を傾ける。





「試合に出れなくて悔しいからとかそーゆーのは無い。

だけど丹波がまだ完治してない今レギュラー陣の1人である俺が抜けたらどうなると思う？」





返す言葉が見つからなかった。





「……わかった」





小湊が言っていることは最もだったし、何より自分の今の立場に強い責任を感じているということは気迫でも伝わった。

だから私が止められないことなんてすぐにわかった。





「今は黙っておいてあげる」

「ありがと」

「でもその代わり」





チームが負けると思ったら私監督に言うから。





私が真っ直ぐ小湊を見つめて言うと、クスッと笑われる。





「倉持に同じこと言っておいたから大丈夫だよ」

「え、倉持も気づいてたの？」






うん、アイツなかなかの観察眼だよね、という小湊は少し嬉しそうだった。




……そりゃそうか。

後輩で一番一緒にいる時間が長かったもんね。








「頑張れ、小湊」








あんたを慕ってる大切な後輩のためにも。








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