【◇】年下はお断りです 2

年下82 ページ33

・





「……それ広まってんの？」




たぶんほとんどの部員が1度は耳にしてると思うんですけど…と言った唯に「ちょっと行ってくるけど気にしないで」と言い残してグラウンドに向かう。




「小湊！」




倉持や春市くんに絡んでいる小湊を無理矢理引っ張り出し「何で言っちゃったのよ！！」と問い詰める。




「え？何が？」

「いや何がって言われても…！！」




自分から「ほら私達が付き合ってることだよー」なんて言えるわけがなくあの…とかえっーと…を繰り返す。


するとやっと気づいたのか「あぁ」と納得したような声を出した小湊。

しかし私が次の言葉を待っていると「で、何のこと？」とめちゃくちゃ意味有り気な笑みで聞かれた。






「は？わかったんじゃないの！？」

「『あの』とか『えーっと』で伝わったら言葉なんて必要ないと思うけど？」





……こいつ絶対私の言いたいことわかってるのにはぐらかしてる





「だから！あのこと！！」

「全然わかんないから普通にちゃんと伝わるように言ってよ」





もうこれ私が遊ばれてるとしか思えないんだけど！！

私怒りに来たはずだよね！？私が小湊追い詰めるはずだよね！？！？

何で逆に私が追い詰められなきゃいけないの！？！？





それから暫くの間あーだこーだと小湊と論争していると「ホントお似合いですね、お二人」と倉持。

その言葉に一瞬にして私が固まると隣でクスクス笑い出した小湊。





「やっぱり！！」




わかってたんでしょ！？と聞くと「でも広めたのは俺じゃないよ」と冷静に返ってくる。





「え、じゃあ誰が…」

「知らないけど」




あの時見てたヤツじゃない？




いきなり引き寄せられ耳元で囁くように言われて赤くなる。




そんな光景をからかう人がほとんどだったけど、

一人だけ思いつめた表情で見つめている人がいた。




・

年下83→←年下81

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す