【おそ松さん】あなたの幸せが一番だから

怒声 ページ22

おそ松







「ねぇ、この際だからハッキリしようよ」







他の兄弟を追い出してまで二人にしたってことはそれなりの理由があるんだろう。

…………理由っていうのはたぶんAなんだろうけど。





トド松が前からAが気になっていたことは知っていた。俺とあいつが付き合って連れてきた時からずっと。





いつもなら可愛い子に会うとすぐに口説き始めるこいつが凄く話し辛そうに、でも嬉しそうにしているところを見て、なんとなくそうなんだな…と思った。




こういう普段チャラそうに見える奴こそ、外見じゃなくて、中身で考えるんだなとも。







「……何」

「わかってるでしょ」





"Aさんのこと"





「何で傷つけるの？」

「……故意に傷つけてなんか」

「傷つけてるよ。ていうか故意とかそーゆー問題じゃないでしょ。Aさんは本気でおそ松兄さんのこと好きだったんだよ？」

「……俺だって」





「ちゃんと好きだった？だけど寂しかったから？そんなの浮気してた奴の常套句だよ。全部過去形にして誤魔化す。そんなこと上っ面だけ言うのなんて誰だって出来るよ。


被害者ぶるのいい加減やめなよ」







トド松が俺の言葉を遮りまくしられたことは全て本当だった。





置いてかれたのは俺だ。

被害者は俺だ。






だから俺は何をしても良いなんて勘違いをしてた。






「……お前の言ったことは確かにあってる」

「だったら…」

「でもこれだけは違う。俺はあいつが嫌いになったわけじゃねーんだよ。『好きだった』って過去形じゃない。」





さっきトド松が俺の言葉を遮ったのとは反対に俺がトド松の言葉を遮る。






「ずっとずっと好きでそれが裏目に出ただけだから」








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