文通7 ページ8
いつものように放課後になると
真っ先に図書室へ向かう。
まだ読み尽くしていない本たちを前にドキドキしながら一番最初に向かうのは
野球の本。
バレてませんようにとお願いしたものの
誰かに読んでもらいたいな
なんて思ったりしちゃう。
あれ?返されてる…
しかも便箋はそのまま、か…
少し落胆しながらも
この前書いた続きにあたる五巻を開いたその時。
パサッと何かが床に落ちた。
ん?
確か五巻には何も挟まなかったはず…
じゃあ他の人が…?
あわててメモを拾い
ひっくり返してみる。
『何故マネージャーをやらないのですか?』
えっ…読んでくれたのかな?
でもいったい誰が…?
これだけじゃ男の子か女の子かわかんない…
それに先輩か後輩かも…
もしくは先生?
便箋に書いてあった字は
男の子にしては綺麗だし
女の子だったら普通くらい。
先生もありえるような
そんな字。
でもこんな質問をしてくれるのなら
きっと私の便箋を読んでくれたんだ。
そして、私の心の声に耳を傾けてくれているんだ。
そう思うととても嬉しかった。
早くこの人に伝えたい。
もっと話がしたい。
こうして私と彼の秘密の文通が始まった_____。
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作者名:そら | 作成日時:2016年1月21日 20時