文通36 ページ37
御幸
「おい、眼鏡」
「…」
「おい、御幸」
「…」
「おい!御幸!さっきから呼んでんだろ!!」
「……あ、ごめん。聞こえなかった。何?」
「ったく…練習はいつも通りあんなに気合い入ってんのに何で終わるとこうなるんだよ…」
「え」
「だから!!何でお前さっきからぼーっとしてんだよ!?めんどくせーから止めろ!!」
「あはは、つい」とテキトーに倉持をあしらう。倉持はこれ以上問い詰めても無駄だと気付いたのか、盛大な溜息をついてからだまった。
堤が俺とやり取りしていた相手…?
俺はその最も事実としてふさわしいことに驚いて、……少し慌てて
全然練習以外のことに気が入らない。
でも本当にぴったり一致する。
ほかの女子の情報だと放課後は教室を出て真っ先に図書室に向かうらしい。
そして、文芸部でもあり書記でもある。
確か、手紙には"図書委員がやりたかったのにできなかった"と書いてあったはず。
ほかの手紙に書いてある相手の情報と堤を照らし合わせてもぴったり同じになる。
掃除を押し付けられて断れない内気なところとかも…
本当に堤…?
相手を知ってはいけないような内容のやり取りだったから
正直焦る。
でも、あいつだったら良いかも……
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作者名:そら | 作成日時:2016年1月21日 20時