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文通29 ページ30






朝いつも通りの時間に来て

いつも通り席について

いつも通り本を広げる……はずだった。




でも、最後の肝心な項目が達成出来なかった。





彼が、

私とは天と地くらいの差である御幸くんが、

私の前に現れたからだ。







「堤さんだよね?」

「…………はい、そうですが…?」

「これ、君の?」






そう言って渡されたのは紛れもなく私の水筒。

でも昨日美香が渡したやつ…




「中田さんに返してあげてください」





私はとりあえず言った。

だってもし私に直接返してくれたなんて言ったら絶対悲しむ。




「えっ…でも…」

「良いんです!中田さんに返してあげてください!」






若干強引だったかもしれないけど

作るのなんかより渡す方が遥かに大変だ。





「わかった」

「ありがとうございます」




幸い、まだ美香は来ていなかったから良かった。






そのあと、嬉しそうに

御幸くんが喜んでくれてたと

私に報告してきた。






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作者名:そら | 作成日時:2016年1月21日 20時

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