文通15 ページ16
放課後、今日は杉田さんを待つため
図書館には行かなかった。
まあ杉田さんと会ってから行こうって決めてたから行かないってわけじゃないんだけど。
窓の外のグラウンドを眺める。
結局好きなポジションはピッチャーにした。
チームによって好きなポジションは違うし
引かれたら困るからピッチャー。
この高校の野球は知れば知るほど面白い。
外野の吠えてる先輩も
二遊間も
もちろんバッテリーも。
一人一人個性があって本当に良い。
ベンチの人に変わってもその面白さは変わらない。
「やっぱり良いな…」
思わずそう呟いてしまったときだ。
「何が？」
横に、すぐ傍に杉田さんが立っていた。
「わっ！」
「あっ！ごめんごめん！驚かせたかったわけじゃないの！
なんかグラウンド見て言ってたから…
もしかして野球部に気になってる子居るの？」
「え？」
「だって『やっぱり良いな…』って！
私は御幸君かなあ…
正捕手の上に顔面偏差値高いし勉強もそこそこじゃん？カッコいいよね〜
堤さんは？」
え？以外思いつかない…
私も確かに御幸君はカッコいいと思う。
でもそれは恋愛感情というか
テレビのなかのカッコいい俳優とかアイドルを見ている感じ。
私には高嶺の花だもん。
「じゃあ数学からお願いします」
「あー！話そらした！
まあ良いや、やろっか？」
こうして私は話を反らすことが出来た。
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作者名：そら | 作成日時：2016年1月21日 20時
