文通11 ページ12
『運動部が似合わなくたって
どんなに運動音痴だって
そんなに思う気持ちがあれば
俺は大丈夫だと思いますよ。』
『俺』…
やっぱり男の子なんだ…
どうしよう…女の子として手紙書いちゃってた…
変なこと書いてませんように。
今すぐ確認したいけど
今まで私が書いたもの全部持って帰っちゃったみたいだし…
えい！
こうなったらもう大人しく正体隠し通してやろう！
そう開き直って紙に目を落とした。
『俺は大丈夫だと思いますよ。
一番大事なのはやっぱり気持ちですから。
…って言いたいんですけどでも実際上に立ってるのって才能のあるやつですよね。
だから俺は気持ちが強いやつが好きですってことで。
でもあなたの優しさは凄い伝わってくるので
自身持ってください。
それとありがとうございます。
こんな個人的なことに答えてくださって。』
嬉しかった。
この人は綺麗事をテキトーに並べるだけじゃなくて
きちんと私の気持ちを考えてくれてる。
一番言ってほしいことを言ってくれた。
『実際上に立ってるのって才能のあるやつですよね』
本当にそうだ。
だから私は何もかも普通で地味な子でいる。
気持ちだけじゃ通用しないんだ。
それにしても優しい…か。
この人はどんな私を想像してるんだろ…
でもきっとこの人のことだから
単に機嫌とりとして言ってるわけじゃないんだろうから…
「ありがとう…」
届くわけないのに、
呟いてみた＿＿＿＿＿＿。
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作者名：そら | 作成日時：2016年1月21日 20時
