【◇】私と彼の未来の手紙 5

未来4 ページ4

倉持




「あ、お前の高校の唯一の友達映ってるけど」





亮さんにそう言われて見ると、テレビに映っていたのはあのヘラヘラしたクソ野郎。





「.....誰でしたっけこいつ」




なんで照れてんの笑と言われ、てれてないっす、てか他にもいたっすよ！と主張するもハイハイそうだったねと全く聞いてない。

亮さん...




『好きな人はいるんですか？』



不意に入ってきたその単語に思わず再び画面を向く。



するとあいつがあのいけ好かない顔で答えた。




『俺にとって1番輝いている人です』








・






そこは球場だった。


見覚えのある背丈と放っておけない雰囲気を出している女がいた。




...まさか、な。




あ、転んだ、と思って慌てて駆け寄って「大丈夫か？」と声をかけると「す、すみません...！！」と謝るそいつは




「堤...？」

「倉持くん...！！」



会いたかった！久しぶりだね！3年かな？と嬉しそうな声を出す。





「てかお前何してんのここで」

「ん？もちろん観戦しに...」




と言ってぴたっと固まる。



「もしかしてここ...」

「関係者以外立ち入り禁止」




と言うとまたどうしようとあわあわしている堤。

あのころとなんにも変わってなかった。





「別に大丈夫だよ、連行とかされねーから」

「で、でも」





倉持くんの邪魔しちゃったよね私...すぐ行くね...と言って方向音痴なくせに歩きだそうとする。




「バカ、そっち球場入口だよ」

「え」




ったくついてこい、と言って歩き出すとありがと、と言って後ろをついてきた。








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あの頃と変わったことといえば雰囲気が少し大人びたことくらいだ






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