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閑話:洛東楓ノ噺 ページ8

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僕は小さい頃から
自分が不幸だと感じていた

家はごく普通の家だったと思う

そこで父、母、姉、僕の四人で住んでいた


けど、いつだったか...母親は他に男を作って
僕とお姉ちゃんを置いて出ていっちゃった

父親はすっかり荒れて
お姉ちゃんと僕に暴力を振るうようになった


特に母親と容姿が似ていて女顔だった僕は
姉よりもひどい仕打ちを受けた




それを見かねた親戚の人達が僕達を引き取った

親戚って言っても、殆ど合うことはなかったから
赤の他人に近かったけど


親戚の人達に連れていかれた場所は
何処かわからない寺院だった

そこで僕達は保護されて
衣食住も保証された


そこで暫く僕達は暮らしていた



親戚の人に言われた

「ここにはとても素晴らしい方がいる」
「お偉い方がいる」

そう何度も繰り返した



今思い出すと、あの親戚の人達は
何かの信教の信徒だったのだと思う

そして僕達はその偉い人に可愛がられてた
よく遊び相手になってくれてた


けどそれも昔の事
しかも子供の頃の記憶だ

その偉い人の顔は忘れた
きっと今会ったとしても思い出せないだろう
「この人だ」ってわからないと思う





僕はそこの暮らしが楽しいと思っていた

けどそれは間違いだと気づかされたのだ__



ある日の夜
それは終わりを告げた




僕はあの日

姉と隠れんぼをしていた


「この時間にここに来てはいけないよ」
と言われた時間に僕達は遊んでいて

僕はそこに行ってしまった
そこの部屋に隠れてしまった



きらびやかな装飾が施された部屋

偉い人の部屋だ



僕は小さな体格を活かして
棚の中に隠れていた


そこで____





悲鳴と、ドサリと何かが畳に落ちる音

それに恐怖を覚える
震える手で棚を少し開けて部屋を見てみる


すると、部屋の畳は大量の血で濡れて
そこに親戚の人が倒れていて__

その側に偉い人が立っていた




「___っ!」


その光景に思わず叫びそうになった

当然だろう子供にとっては怖くて怖くて仕方ない
ものだ


咄嗟に口に手を当てたが___




急に視界が明るくなった

見つかったのだ


「全く、駄目じゃないか
この時間に来てはいけないよって
言っただろう?」



そう笑って言われるながら
引き出される


恐怖で震え、意味のない声しか出せなかった



「君は喰うつもりなかったんだけどなぁ
可哀想に__
見ちゃったなら仕方ないね」


扇が振るわれた

.→←.



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設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され , 救済   
作品ジャンル:アニメ
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露亞(プロフ) - ありがとうこざいます! (2020年1月9日 19時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 露亞さん» 無ければ私の好きに考えて書きます! (2020年1月9日 19時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 露亞さん» 番外編という形でなら出せますよ!次の続編に入ってからになると思うので気長にお待ち下さい!何かこういう風に書いて欲しいとリクエストがあれば書いて頂ければ考慮して作ります! (2020年1月9日 19時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - 終わりのセラフのキャラクターを少しでいいので出してもらいたいな…なんて(( (2020年1月9日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - たぴ岡さん» 何回も読んで頂けるなんて嬉しいです!頑張りますね! (2020年1月4日 22時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来羅 | 作成日時:2019年12月29日 19時

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