【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 参

百二話:協力者 ページ10

NOside





Aが、夜明けの街を歩く

鬼呪を巡らせ感覚を研ぎ澄ませる


僅かな血の匂い

そして、鬼の気配





その方向へ走る

すると、屋敷が見えた


屋敷や庭に、戦闘の跡が残っている

その屋敷の敷地内に入る






すると＿＿＿


『炭治郎？』



名前を呼ぶと、炭治郎が此方を見る


炭「A、さん...
(血と...あいつの匂いがする...)」

何処か悲しそうな顔をする炭治郎

Aが、疲弊した炭治郎の肩を支える



『何があった？』

炭「...Aさん」


炭治郎が問いに答えずに言う



炭「鬼舞辻と、会ったんですね？」

『...うん
ごめんね、せっかく夜明けまで留めたのに
逃がしちゃった』



Aが悔しそうに言う

炭治郎は、Aを見る


心なしか疲れた表情
乱れた髪
手と口元が血で濡れている
そして胸、心臓部分の隊服に穴が開いている

それが、いかに苦戦したかを物語っていた




炭治郎は、Aが生きて戻った事に
心の底から安心し、Aに抱き付く

華奢なAの体がすっぽりと炭治郎の
腕の中におさまる


炭「よかった...っ
Aさんと別れた後、やっぱり止めれば
良かったってずっと考えてて...
また家族が殺されてしまうんじゃないか
不安でっ」


震える声で言う

Aは炭治郎の頭を撫でた



『ごめんね心配かけて
でも、帰ってくるって約束したでしょ？
私が約束破ると思ってたの？』

炭「いいえ！そういう事では...」


『ならいいじゃん
ちゃんと家族の所に帰ってきたんだからさ』

炭「はい...」



Aが優しく笑う

それで気持ちが落ち着いたのか
炭治郎がAから離れた





『それで？何があったの？』

炭「鬼が襲撃してきたので戦いました」


『...へぇ、そっか
まだ残ってるようだね』



鬼の気配を感じ取ったAが刀を抜く

炭治郎が気付く、Aが、先程まで一緒に
戦ったあの二人を敵と認識している事に


炭「違うんです！いや、違くはないけど...
いい人達なんです！！だから...」

『...ちゃんと説明して貰おうか』

炭「はい」






炭治郎が二人の事を話す
そして今、禰豆子はその二人と一緒に居ると
いう事を


『なるほど、つまりその珠世さんと愈史郎さん
って鬼は私達と同じように鬼舞辻を倒したいと
思ってて協力してくれた＿＿ってことか』

炭「はい、だから殺すのは...」




『わかってるよ、禰豆子の事もあったし
鬼にも話の通じるのが居るんだってね』


その言葉を聞いて炭治郎が安堵した

百三話:協力者2→←作者から

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す