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百二十三話:裁判8 ページ37

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声が聞こえた方を見る

そこには青年が立っていた


全員が目を見開いた

声がするまで誰もその青年の存在に
気が付かなかった



その青年は美しく儚い笑みを浮かべる


その姿は美しく、神々しくすらあった

右目を札で隠し和服を着て
半透明の羽織を頭に被っていた

白銀の髪に血のように赤い瞳
そして頭に生えた二本の黒いツノ__



鬼だ

鬼が居た




それはあり得ない事だった

鬼は日向に出ることは出来ない筈だからだ




ほぼ反射的に、無一郎がその鬼に刀を振るった

刀が頚に入る


が、その刀は頚を斬ることなくすり抜ける

無一郎が僅かに目を見開いた




《へぇ〜子供のくせに随分速いな
けど残念、俺の頚を斬る事は出来ないよ》

と、余裕の表情で笑う


無一郎が再び刀を構える




すると、次の瞬間には無一郎の手から
刀が消えていた

気が付けば刀を鞘に納める音がした


戦闘音すらなく、あまりに静かに__
決着がつき、無力化された




やっと理解した
一瞬で刀を取られ無力化されたという事を

その鬼が無一郎の後ろに立って言う


《やれやれ、良かったよ
こんなのどかに晴れた日に戦いなんて__
無粋だからな》




少し声を低くして言う鬼
そして柱を見て言う


《あぁ、そう身構える必要はない
何しろ喧嘩をしに来た訳じゃないからな》

し「貴方は一体__」


館「久し振りだね、終命ノ夜」




その言葉に驚く

終命ノ夜は、Aが契約している鬼だと
聞いていたからだ


この鬼が__終命ノ夜




終《あぁ久しいな、耀哉
お前と話すのも随分久し振りだな》

館「そうだね、友人として嬉しいよ
それで、どうしたのかな?」




終命ノ夜が目を細めた


終《__人間は簡単な事ですぐ争う》

館「...」


終《まさかこの組織でもこんな事になるとはな
人間同士の争いや、いがみ合いは
もう嫌と言う程見てきた

たった一人の鬼に翻弄されるなんて__
それ程までに君の剣士(こども)は脆かったか?
俺はそう思っていなかったんだが》





終が続ける


終《俺はAを守るために居る
もしこの組織が脆いのだとしたら

俺はAを鬼の方へ連れていく》


全「!!」




『(終!何言って__)』


終《哀れで愚かな人間の組織に居て
傷付くのはAだ
義勇、錆兎、Aの記憶を見たお前らは
Aがどんな場所に居たか知ってるだろ》


義/錆「「...」」

百二十四話:裁判9→←百二十二話:裁判7



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設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され , 救済   
作品ジャンル:アニメ
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particle e(プロフ) - いえいえ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 951567228e (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - みかんさん» 番外編、楽しんで貰えて何よりです!実は今、このシリーズを書くので手一杯な状態なので新たに作品を書くのは難しいんです...すみません!いつか番外編の内容で話を書けたらいいなと私も思っています。 (2020年3月15日 0時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - particle eさん» すみませんでした!ご指摘ありがとうございます! (2020年3月15日 0時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
particle e(プロフ) - 13ページの珠世さんの台詞のところに禰「」って書いてありました (2020年3月14日 21時) (レス) id: 951567228e (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 番外編めちゃめちゃ好きなので別の作品として描いてほしいです、、!! (2020年3月12日 16時) (レス) id: 671a807c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来羅 | 作成日時:2019年12月9日 22時

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