【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す

四十三話:夕日と庭 ページ47

Aside





屋敷の中に入る

屋敷には、生活が出来るように
一通り家具が揃えられていた


私は、直ぐに机に向かい
鱗滝さん達に手紙を書いた

柱になった報告をする為に






手紙を書き終えた時にはもう夕方になっていた

手紙を鴉に渡すと
すぐに届けにいってしまった


私は縁側に出る






そこからは綺麗な日本庭園が見える

夕日が庭を照らす



夕日を見ると、何処か懐かしく
そして、少しだけ悲しい気持ちになる

『...』


この広い屋敷に１人
私だけしか居ない

ぼんやりと庭を見ながら思い出す




『...似てる、な』


そう、似ているのだ
私が元々住んでいた家の庭と

柊の養子になる前に家族と一緒に住んでいた家に





そして、あの時を思い出す



綺麗な庭が血に染まって地獄のようになった時を
父が反逆罪を犯した時の事を
その日、初めて大切な人を手にかけた事を


あの時は、今と同じように夕日が綺麗だった








夕日に照らされた庭を見ながら感傷的になる




『駄目だなぁ...』


自嘲気味に笑いながら私はその場で横になる




そして、誰も居ない事をいいことに
ぼそっと呟く


『帰りたい、な...』







なんて事を呟きながら目を閉じる

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