東卍の白豹Part2

92話:青白 ページ47

.



マイキーの言葉に、真一郎とワカが急いで中に戻った



既に雪は病室に移動されていた

頭に包帯を巻かれ、静かに息をしながら
目を閉じたままの雪を見る





医者「幸い、内出血はしておらず
外傷による出血だけでした
圧迫止血による応急処置がされていたので
出血多量になる一歩手前で済みました
傷は縫いましたが、頭を強打したということですので
暫くは入院し、安静にして頂きます」


若狭「雪は、いつ目覚める？
後遺症とかの心配はないのか？」



医者「それについては現時点では何も言えませんが
数日は眠ったままかと
後遺症や異状については、今後精密検査等をしないと
正確なことは断言できません
内出血はしていませんでしたが
頭の怪我については油断できないので＿＿＿」


若狭「...わかった、ありがとう」





そこで医者は出て行った



ワカは雪の側に行くと、何も言わずに手を握った

日焼けを知らない、真っ白な肌が
いつもよりも青白く見えて、未だに安心出来なかった





万次郎「...ユキ、ちゃんと生きてる、よな？」

真一郎「万次郎？」




マイキーは肩を震わせて言う



万次郎「だって...母ちゃんが死んだ時と同じ顔なんだよ
今のユキ...
あの時の母ちゃん、ただ寝てるように見えたのに
起きねぇし返事、しねぇし...っ」



エマ「やめてよ！！雪ネェ助かったのに
そんな事言わないでよ！！」

万次郎「仕方ねぇだろ！？こんな姿見せられて！
自信持って大丈夫だって言えるワケねぇだろ！
生きてるってよりかは死んでる顔に近いんだから！！」

エマ「だからって...！！雪ネェが死ぬなんて
考えたくない！！マイキーのバカ！！
雪ネェ、ちゃんと生きてるのに！！
勝手に殺すなんて最低！！雪ネェは強いもん！！」

万次郎「そんな事、エマよりオレの方がよく知ってる！！
ウチの特攻隊長だぞ！！オレが認めた特攻隊長だ！！
エマよりもオレの方がユキの強い所を見てきた！！
知った口利くな！！」



爺「万次郎、エマ...」





どんどん声を荒らげていく2人に、じいちゃんが声をかけた
それと同時に真一郎がしゃがみこんで2人を抱き締めた

マイキーは泣くのをずっと我慢して拳を強く握って
エマは耐えきれずに泣いていた




真一郎「万次郎、エマ...雪の前で喧嘩、すんじゃねぇよ
雪、心配してちゃんと休めなくなっちまうだろ？

2人共、雪が心配なのはわかってっけど
今は静かにしてあげような？」

93話:見舞い→←91話:叶うはずの未来2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す