こんにちは ページ4
国「お前は、太宰治と何か関係を持っているか?」
之は神荘寺に限った質問では無い。
俺達は依頼主全員に1度は疑いをかける。
だが今回、出会って早々、しかも最後の問を使ってまで聞いた理由は、紛れも無くあの三つ折りの紙の所為だ。
四番に何故太宰の個人名が挙げられていたのか。
何かかしら関係が在るに違いない。
そう国木田と敦は悟ったのだ。
しかし、当の本人は、問の内容が意外だったのか、ポカンとした表情を浮かべる。
貴「太宰様、ですか…?」
敦「ええ、そうです。本当に、正直に、教えてください」
国「関係を持っていたって別に追い出したりなどしないし、恋仲だとしても太宰をクビにしたりもせん。
だから嘘偽り無く云って欲しい」
お分かり頂けるだろうか。
探偵社員2人の本気さを。
最早実際の依頼時よりも目が本気だ。
対する神荘寺は何かを察したのか、先刻の表情を急に解いた。
貴「ふふっ、御座いませんよ。寧ろ太宰様とは初対面です。
御姿も全く把握しておりません」
敦「本当ですか…?」
貴「はい。私は、問に対しての嘘は吐けません。信用して下さって大丈夫ですよ」
良かったぁ…
一気に場の空気が緩んだ。というより、国木田と敦の圧力が消えた。
貴「何故そんなにも太宰様との関係を?相当重要な様に感じましたが」
国「太宰と云う奴はな…何と云うか…女遊びが激しいんだ。
依頼と称して太宰に復讐しに来る女が後を絶たん」
貴「成程」
敦「つい先日も、開かずの倉を開けてほしい故ピッキングに長けている太宰さんを呼んでほしい…だなんて云って、此処で殺人未遂起きたんですよ…」
国「俺が手刀食らわして軍警に渡したら俺に暴行の罪で訴えるぞ。何て騒ぎだしてな。
事前に見抜いておかないと後先本当に面倒なんだ」
貴「最近の女性は活気が付いてらっしゃいますものね。御二人が在れ程本気でしたのも納得がいきます。
御安心下さい。私にはその様な力は御座いませんし、第一太宰さんの事は風の噂、で聞いただけです」
目の前の女の顔は素直な微笑み。
先刻の云う通り、嘘は吐いていないのがはっきり読み取れた。
国「すまんな、急に謎めいた事を聞いてしまって」
貴「いえいえ、お気に為さらず。私の説明不足なのも原因です」
敦「いえいえ!神荘寺さんは何も…太宰さんが唯…」
太「私が、如何したって?」
ギクッという効果音が付く程に男2人の肩が飛び跳ねる。
声の主は、清々しい顔で扉に寄り掛かる、背の高い男だった。
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作者名:かふぇもか | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月2日 18時