とある探偵社の双子の女医

蝶が６頭 ページ8

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in居酒屋



国「すいません、鰹のたたき１つ」

賢「僕は三ツ矢サイダーで……我慢」

与「妾は酒とうなぎ」

貴「あ、私もうなぎ」


お姉ちゃんが飲むなら私は酔えないね、とA。

その言葉を聞いて周りは
(どっちがお姉さん…)
と呟いた。


乱「僕、駄菓子」

店「ありません」

乱「…じゃあ何時もの」

店「かしこまりました。少々お待ちくださいね」


愛想のいい店員さんはにこっと微笑み、奥へと戻っていった。
暫く沈黙が続いた。
其れを破ったのは意外にもAだった。


貴「そういえば谷崎たち遅いねェ」

賢「なにかあったんですかね？」


すると店の扉がカランカランと軽快な音を立てて開いた。
おおジャストタイミング。


谷「すいません、遅れました…」

ナ「キャー、頭を下げるお兄様も素敵ですわ！！」

谷「っ駄目だよ！ナオミ！此処居酒屋！！」


大分疲れきっている谷崎と珍しく私服のナオミが入ってきた。

傍から見て仲の良いカップル？いいえ、兄妹です。
もう一度云おう。兄妹です。


賢「ナオミさん、珍しいですね！私服なんて」

ナ「ええ、制服に匂いがつくのはごめんですわ！」


うわあ、女子。
私なんて真っ白な白衣だけど、全く気にしてない。

これが女子力の差…


貴「似合ってるんだからたまには私服でもいいんじゃないのかい？
ねェ？お姉ちゃん？」

与「嗚呼。今度出かけたときに買ってやるさ」

ナ「キャー、与謝野双子が神に見えますわ！」


そうキャピキャピしているナオミも可愛い。


谷「ナオミ、何頼む？」

ナ「ナオミはお兄様と同じのでよろしくてよ！」

谷「じゃあ麻婆豆腐とオレンジジュースを二個ずつ」


谷崎もナオミが好きなオレンジジュースを頼むところで重度のシスコンなのだろう。

シスコンだぞ。彼女大好きマンではない。


谷「あれ？太宰さんは？」

貴「後でくるよ」


なんかもう話す気力失せた。


谷「何かあったンですか…？」

国「嗚呼、とてつもなく色々とな」

谷「はぁ…」


国木田は手帳になにやら書き込むのに必死だ。
ページを捲っては溜息を零す。
その様子を見て乱歩さんが笑った。


乱「ははっ、お疲れ国木田くん」


すると国木田が突然手帳をパタンと閉じ、静かに云った。


国「…寒気がする」

賢「？風邪ですか？なら与謝野双子に…」

国「否、これは…」


その途端、店のドアが勢いよく開け放たれた。

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