Finally I.【東京喰種】 (ページ24)

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21.好意ページ24

沙絢の兄といえば、言わずもがな絢都だが、こいつが私の部屋に来るのは珍しい。
来るとすれば沙絢が駄々こねるか、タタラに言われたか、極稀に気まぐれに来るくらいである。
俗に言うツンデレ属性なのか、単なるシスコンなのかよく分からんが、こいつが来ることは別院嫌な事ではない。
寧ろ沙絢が離れるからいい風に使わせてもらっている、語弊を招く言い方をしたが沙絢を嫌ってるわけじゃないよ、うん。

「…何してんだてめぇら。」

『は？お前に関係ない。』

「チッ、部屋壊したら怒られんの俺なんだよ。」

「え？何で？Aの部屋なんだから普通説教食らうのAでしょ。」

「タタラさんに贔屓されてんだろ、んで、俺の飛び火してくるんだよ。
分かったらその赫子しまえ。」

ずずっ、戦意が萎えたのか意識しなくとも赫子が消えていく。
着ていた白い服は腰のあたりが不自然に破れ、肌が見えている。
そして先ほどの絢都の言葉には少し引っかかる、私がタタラに贔屓されているという言葉だ。
確かに「一人で行動する」と言えば無言の承諾を得ることができるし、私一人だけ任務内容が少々軽かったりもする。

「へぇ、気に入られてるんだね。」

『嬉しくない。』

「A姉、みんな、好き、だから。」

「はぁ？みんなって俺も入ってんのかよ。」

「…嫌い、なの？」

沙絢の問いに絢都はぐっとたじろぐ、美紅はその横で大爆笑だ、腹を抱えて転げ回っている。
漫画みたいだな、普通腹抱えても転げ回らないだろ。

『嫌ってくれていいよ、好いてくれても構わない。』

「くはっ…wwA、絢都以上にwwつwツンデレww」

『次は体に穴あくじゃ済まさねぇぞ美紅、首吹っ飛ばしたろか。』

「A！？キャ、キャラ！保とう！クールビューティーなんだからさ！ねぇ！
絢都に嫌われちゃうよ！？いいの！？」

『ああ。』

「君酷いね！！」

爆笑から一転し、さぁっと血色の良かった顔が真っ青に変わっていく。
身の危険を感じたのか沙絢は絢都の後ろに隠れ、絢都からはもう訳が分からないけど愛する妹を守るべく、ズモモモ、と羽赫が発動されつつあった。
おい、さっき部屋壊すなつったのお前だろ、羽赫が1番悲惨になるんだよ。