Finally I.【東京喰種】

1.願望 ページ2

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たった一つの願いが叶うというのならば、どうか。









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普通をください。








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『…はぁ？』


"アオギリの樹"、自室にて。
私は不服と不満と怒りが入り混じった声を上げた。

きっかけは数分前、ノックの音に反応して扉を開けた私が馬鹿だったのだ。
あの時の私を叱りたい。
そして殺したい。


「だーかーらー、あんていくに行こうって。
あそこの珈琲美味しいって有名なんだよー？」


『ぜってー嫌だ。』


そんな提案をしてきたのは昔からの連れ、"松本美紅(みく)"。
小さい頃から少し抜けながらも頼れる姉的な存在で、みんなをまとめるリーダーシップを持ってる可愛らしい女の子だ。
これで彼氏がいないのはおかしい。

"こんな枷"さえなければ、今頃モデルだの女優だので大儲けだっただろうに。


「なんでさー。」


『お前、私が"以前いた"って知ってて言ってんだろ？』


「…だからこそだよー。」


『…行きたいんだったら1人で行け。』


「場所知らないんだってー。」


『調べろや。』


だらだらとソファーで寝っ転がる美紅にをひと叩き。
いたーいとかほざく声はどこ吹く風状態。

任務なんて気まぐれでしかやらない私が言えないけど、働け、まず動け。
美紅の情報収集能力はずば抜けている。
本来ならば関わりを持たない方がいい"CCG"や"ピエロ"、他の区についても申し分ない情報を持っている。
それで働いてくれれば文句ないのだけれど。


『お前の情報収集があれば一発だろ。』


「それより君が教えてくれた方がうんと早いよー。」


もう一発一叩き。
今度は素手ではなく本、しかも角。
これには美紅も笑顔を崩し、叩かれたところを抑えて大悶絶。

ざまぁみさらせ。


「…い…ってぇ…。」


『自業自得じゃぼけ。
行くなら行けや、私は行かない。』


「堅物ー。」


『てめぇの腹に穴開けんぞ。』


「すいませんでした。」









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結構幸せだったりするんです。

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