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115話 ページ19

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「ぺんぎんちゃあ………」

「Aしゃん……」

「……。」



不安そうに見詰める彼等を一瞥し、私は水槽を一度近くにあった机上に置いた。

そして空いた両手でフェーヂャの両手を掴んで、彼の光が失った瞳を見据えた。



「フェーヂャ、お願いします。貴方の寛大な心で、どうかこの我儘な愚妹の願いを叶えてはくれませんか?」

「…フフ、良いでしょう。可愛い可愛いぼくのA、望むことは全て叶えて差し上げますよ」

「フェーヂャ…!!」

「おやおや、本当に愛らしい妹だ」



もう少し粘るかと思ったら、案外早くお許しを貰えた。腐ってもフェーヂャは優しい兄だ。


『何処まで外道でも非人道的でも、兄は兄であり、妹には只管に弱いのだよ。特に君のお兄さんは』と昔太宰くんが言っていた気がする。



「ぺんぎんきゅ、ししゅこんだねぇ」

「しょうでしゅね、ふよいよ」

「何か言いましたか?魚共」

「べちゅにぃ?」



ぷいっと顔を背けたフロイドくんは尾鰭で水面を叩き、水飛沫を立てた。



「ふよいよがしゅみましぇん、おにいしゃん」

「おや、貴方も共犯でしょうに」

「ばれてましたか」




悪びれも屈託も無い笑顔のジェイドくん。

嗚呼そうだ、アズールくんに餌を貰いに行かなくては。



「フェーヂャ、餌を貰いに行ってきます」

「ええ。この2匹はぼくが

「A氏〜失礼するでござるよ〜。アズール氏から餌のちょうた…………」

……………蒼炎男……。」



入室した彼は餌の調達、と言おうとしてフェーヂャを見た瞬間に固まった。


10秒程の沈黙が流れたが、先に破ったのはイデアくんだった。



「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…僕みたいな陰キャに発言跨がれるなんて不愉快極まりないですよね…ヒヒ…首括ってお詫びしますごめんなさい僕は所詮キモい蒼炎男ですごめんなさい……」

「ほたるいかしぇんぱいおもしろーい」

「ぼくは気にしてませんので、早く餌を」

「は、はい………」

「イデアくん、大丈夫ですから泣かないでください」

「A氏ぃ………ぴえんですぞ…」



私に縋り付くイデアくんがどうも憐れで仕方が無く、私は彼の頭を撫でた。



「ひぃぇ………A氏いっぱいしゅき…」

「蒼炎男さん、用件が済んだのなら貴方のお好きな自室へ帰ったら如何ですか?」

「アッハイスミマセンデシタチョウシノリマシタ」

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瑞稀 - 好きとしか言いようがないっすわ…監督生の言ってることに共感しか湧かないのは何なんすかね…神作ktkr(ありがとうございます) (7月21日 4時) (レス) @page38 id: 0ecff74da0 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna(プロフ) - 双子の愛が素晴らしいなと思いました!双子と呪術廻戦のクロスオーバーが見たいです! (2021年3月27日 0時) (レス) id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - → 私自身が片割れになった様な気持ちで読んでいたので余計…笑 何度でも云えますが、本当に素晴らしい作品でした。有難う御座います。 (2021年2月9日 1時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - 初めまして、つい先程一気読みさせて貰いました。私はtwstは余り詳しく無いのですが、読んでいて迚も楽しかったです。フェーヂャと片割れに関する監督生さんの語り等……所々笑いながら読めて面白かったです。又、自分が二次創作の中の伽羅と云うのが不思議な感覚でした (2021年2月9日 1時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ミ゜ッ(死亡) (2021年1月11日 20時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年7月24日 0時

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