84話 ページ36
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「…あれ、A先輩の知り合い……ですか?」
「知り合いということは否定しませんが、この男のことは昔から好きになれません」
「は、はぁ……」
「えぇ、非道いよAちゃん。私達の仲だろう?」
「仲も何も無いでしょう不審者さん」
私の不審者発言に、太宰くんは首を傾げた。
真逆この男は自覚が無かったのだろうか。
「私が?」
「ええ。この少年に見覚えはあるでしょう?貴方の
そう言ってエペルくんを見る。彼も困惑しているようだ。
「そうそう、済まなかったね。てっきり美少女かと思って」
「ぼ、僕は男です………!!」
「しかも貴方、不躾を働くだけでは無く追いかけ回したそうじゃないですか」
「それはAちゃんの場所を聞こうと思ったからなのだよ!」
思わず溜息が出てしまった。
エペルくん、私の知人が本当にすみません。
「追い掛けたら謎の光が飛んできたのだよ。あれは何だったんだい?」
「魔法ですよ。その様子だと貴方の異能で無効化したようですが」
「嗚呼、成程ねぇ」
ここまで話していて何か違和感が生まれた。
話の内容では無い。
いつもなら私が向こうの世界の人と話している時は必ずと言っていい程に監督生さんが悶え苦しんでいるのだ。
今日は
そんな監督生さんの方を向くと、彼女はキョトンとして私と目が合った。
「どうかしました?Aさん」
「…………いえ。静かすぎるなぁ、と思ったので」
「あー、それは太宰→←Aは解釈違いなので。あっでも太宰さんは推しですよ」
カイシャクチガイとは何か分からないが、彼女が気絶しないで落ち着いているのならそれで良かった。
「ふぅん。君、私の事を知っているんだね、お嬢さん」
「はい、ヨコハマは私のいた世界では2次元だったので。何なら太宰さんの前職もそこの頭領の名前や異能名も当てられますよ」
「………本当のようだね」
「あら、受け入れが早いのですね」
「異世界があるならそんな世界もあるのかと思っただけさ」
そんな会話をしていると、昼休み終了を告げる鐘が鳴った。次の授業は……………飛行術だ。
授業から放課後の間、この男を何処に置いておこうか。そう思って太宰くんをチラリと見ると、頬を態とらしく紅く染めた。止めてくれないだろうか。
「Aちゃんが心配せずとも、私は大人しく散歩しているよ」
「………はぁ」
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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時