12話 ページ13
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「………そうだ、A氏の部屋どうしよう。今イグニハイドで空き部屋無いんだよな……」
「私なら心配は無用です。睡眠は取らなくても大丈夫ですし、寝る場所も床があれば平気です」
「ダメ、Aさん。ただでさえ身体が弱いんだから」
だけども、空き部屋なんて今は無い。
どうしたものか。
イデアくんとオルトくんは頭を抱えた。
が、何かを閃いたようで、先に声を上げたのはオルトくんだった。
「そうだ、Aさんが兄さんの部屋で寝ればいいのか!」
「お、お、オルト!?!?何も良くないから!!!」
「でもどうするの?兄さんぐらいしか今は頼れる人はいないんだよ?」
言い分はごもっともだ。
現に今私はこの世界で頼れる人は学園長か、イデアくんか、オルトくんしかいない。
オルトくんが寝る場所はカプセルのような所で、そこで充電するらしい。
「う…………」
「ですが、そこまで迷惑をかける訳にはいきません。私は廊下で寝ることにします」
「わ、わかった!!わかったから!!!他に部屋が出来るまで僕の部屋使っていいから!!廊下はダメ!!!」
廊下で寝る宣言をするとイデアくんは血相を変えて説得し始めた。
出身地は極寒の地だ。
機械達の保存状態を管理しているからか、常に丁度いい気温に保たれているこのイグニハイド寮はまだ楽園なのだけど。
「わかりました。では私は床で寝ます」
「それもダメ!!僕はイスで寝るから君はベッドで寝て!!」
「……ですが」
「寮長直々の命令。……わかった?」
「……………御意」
部屋の主がイスで寝るなんてあってはならないことだ。しかも立場は私より上。
だけども、その立場が上の者の "命令" に背くなんて私には出来なくて、大人しく頷いた。
「もし兄さんに何かされたら兄さんの機械、全部壊しちゃっていいからね。Aさん」
「そ、それだけは勘弁するでござる……」
「ふふ。承知しました、オルトくん」
「A氏…!?僕、そんな勇気なんかないから……!!」
…拝啓、フェーヂャへ。
楽しい友人が出来ました。
貴方は如何お過ごしでしょう。
「あ、やべ。もうこんな時間…大食堂行こう、A氏」
「昼食ですか。わかりました」
「その前に制服に着替えた方がいいかもね」
確かにそうだ。この格好で校内を彷徨くのも目立ってしまう。
「じ、じゃあ僕達は外で待ってるから……」
そう言ってイデアくんとオルトくんは部屋を出て行ってしまった。
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明日羽(プロフ) - 22話「ナンヨウハギ先輩」と書いてありますが、イデア君のことを言っているなら「ホタルイカ先輩」ではないですか?意図的にやっていたらすみませんm(_ _)m (2022年8月24日 21時) (レス) @page23 id: 671ce2cf6e (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - かなり前からこの作品見てますもう尊すぎです…今更なんですけどツイステって中学じゃなくてミドルスクールだったような気がします。ツイステマジで初心者なので間違っていたらすみません… (2022年1月16日 11時) (レス) @page41 id: 2a968727d8 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ぴぃやああああああああああああああああああ無理、無理、兄弟愛尊いよぎぃやあああぁああぁぁあぁぁあああぁぁああああぁあ。 好きです。 (2021年1月11日 16時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - そらちゃんです!!さん» うわああああああああああありがとうございますううううううう(歓喜) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおすきですうううううううううううううううううううう、!!!!!特にユウの絡みが好きです! (2020年6月28日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月16日 22時