第89話 ページ43
咲夜サイド
小鹿は疲れたのか穴に来てすぐ寝てしまった。
倉持「へっくしょん!」
咲夜「大丈夫?」
倉持「平気!俺、寒いのは慣れてるから!」
咲夜「なら、いいんだけど」
それから、洋一先輩はくしゃみを連発。
大丈夫と言って聞かないからしばらく様子を見ることにした。
数分後、まさかと思って額に手を当てると物凄く熱かった。
咲夜「洋一くん!熱あるじゃん!」
倉持「え?」
咲夜「これ来てて!」
俺は来ていた椿模様の羽織を洋一先輩に被せて隠し持っていたお菓子と干し肉を出した。
倉持「そんなの、どこで?」
咲夜「祭りの途中に見つけたんだ。買ってもらってて良かった」
先輩が熱を出した頃にはもう既に夜だった。
祭りで見つけた蛍光ライトみたいなのを光らせて明かり代わりにした。
それから雪を布で包んで冷えピタがわりに額に載せて、食欲があるうちにご飯も食べた。
倉持「ごめん」
咲夜「ううん!大丈夫!でも、私ならすぐに治るのになー」
倉持「え?」
咲夜「私、風邪とか熱は寝てすぐに治っちゃうから!」
倉持「す、すげぇ」
そんなたわいもない話をしながら雪が止むのを待った。
倉持「さむっ」
咲夜「んー。あ、そうだ!」
俺は先輩を小鹿の体にもたれかけさせて、一緒に椿模様の羽織を被った。
咲夜「これで、大丈夫?」
倉持「あったけぇ」
咲夜「そういえば、何で助けてくれたの?」
倉持「え?べ、別に///」
咲夜「ん?」
倉持「多分、君のこと、好きだから///」
咲夜「あ、ありがとう///」
突然の告白に何も言えないまま夜を過ごした。
翌日、大人と地元の人たちの捜索で俺達は無事保護された。
咲夜「助けてくれて、ありがとう!」
倉持「俺も、ありがとう」
咲夜「そうだ!昨日、好きって言ってくれたでしょ?」
倉持「う、うん///」
俺は先輩に近づいて、頬にキスした。
倉持「さ、咲夜?!」
咲夜「私も、好きだよ///」
小夜「あら。かわいいカップルね」
○○「洋一もやるわねー!w」
これが、あの写真の真実。
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