第77話 ページ31
咲夜サイド
いつの間にか、俺達はまとめて降谷に抱き締められていた。
御幸「ふ、降谷?!」
倉持「お前、何して?!」
咲夜「俺達、大丈夫だから!」
降谷「...嘘ばっかり」
3人「え?」
降谷「...見てた方が怖いに決まってる。3人とも、ホントは怖くて仕方なかったんでしょ」
3人「!」
何でこういう時ばかり鋭いのだろう。
そのひと言は俺達の涙腺を決壊させるのに充分だった。
咲夜「ホントは、怖くて仕方なかった...!」
御幸「何もできないまま、もしかしたら、死んじまうんじゃないかって...!」
倉持「でも、どうにかして助けたかった...!」
降谷「...やっぱり。助けてくれてありがとうございます。今は、泣いていいですよ」
俺達は、今回だけその言葉に甘えることにして、泣いた。
今までの恐怖を洗い流すように、ひたすら泣き続けた。
三日月サイド
明世「暁...」
増子「降谷ってあんな優しかったか?」
川上「初めて見ました」
三日月「きっと、咲夜の影響だよ」
白州「三日月?」
三日月「暁は、3人の仲間を思う優しさを、ちゃんと見ててくれてる。だから、優しく見えるんだ」
沢村「ホントは、あの3人が1番優しいのかもしれないっすね!」
亮介「いつもは、生意気なのにね」
春市「あ、兄貴(^^;」
金丸「でも、今回ばかりは俺達も謝らなきゃいけねぇ気がする」
東条「無茶させるほどに、心配かけちゃったもんね」
明世「精霊達も、私達も、レイランも三日月も亡くなってたって考えたら、怖くて当然だよね。私だってそんなの怖くて耐えられないよ」
三日月「特に、咲夜と一也は実際に大切な人を失ってるから、尚更だよ。洋一も今回は咲夜だけを失うのとは比が違ったみたいだし」
金丸「そうだな」
話していると
降谷「...三日月。手伝って。3人とも泣き疲れて寝ちゃった」
三日月「分かった」
3人を布団に寝かせる。
3人とも涙のあとがくっきり残っていた。
降谷「きっと、明日は元気に試合できると思う」
三日月「そうだね!」
降谷「...」
三日月「暁、どうかした?」
降谷「ううん。何でもない」
今日は解散し、各自で過ごすことになった。
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