◇ドライな関係 (ページ6)

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【３年生と】花火大会ページ6

【１年生の頃のお話です】

とある夏の日の夜

今日もみんなで集まって素振りを、ピッチャーはシャドウピッチングをしていた。もういつの間にか日課になっている。

「今日さぁ、インハイの球打ってからなんか感覚おかしいんだよねぇ…

てっつんちょっと見てくれない？」

「あぁ、いいぞ」

いつも通り、お互いのスイングを見合ったり、もくもくとバットを振ったり。

ドーン

暫くすると遠くの方から音が聞こえた。

「え、今の何だろ」

「そういや今日花火大会あるって言っていたな」

「うっそ！見たい！！どこか見れるとこないの？」

てっつんの話によると地元で小さな夏祭りがあるらしく、少しだが花火も毎年上がるらしい。

「あ〜夏だね〜」

音だけを聞きながら素振りを続けていたが、心の奥はうずうずとしていた。

それは私だけでは無かったようで。

「……なあ、花火したくね？」

純がぽつりと呟いた。

「やる！！」

思い立ってからは早かった。

参加するメンバーを募り家に帰ったふっこなんかも呼び出して、急きょ河川敷に集まって花火をすることとなった。

言い出しっぺの私と純は買い出しを任され、適当に開いてる店を回って花火と適当に飲み物なんかも買った。

「いえーい！！夏だー！！！」

「オイ！A！お前なんで一気に４本も使ってんだよ！！」

「えーなんで私だけ……てっつんもやってるのに！」

「あ？ってまじじゃねーか！哲やめろ！」

「楽しいぞ」

「あーもう知らねぇ！とったもん勝ちだ！俺もやってやらぁ！！」

只でさえ人数が多いのに一度に何本もつけたりすると直ぐに花火は無くなった。

「よーし、それじゃ最後までついてた人が勝ちだからね？みんな持った？」

最後は定番の線香花火。火の玉が最後まで落ちなかった人が勝ちというこれまた定番の勝負をすることとなった。

「そういえば、玉が落ちる前に火が消えたら願いが叶うって言うわよね」

ふっこが言った。

「どうせならお願いもしようか♡」

そう言ってみんなで願いをこめて一斉に火をつけた。

「あーやばい、このタイミングで風吹いてきた！」

「うるさいよA」

わーきゃー騒いでたら私と亮介はほぼ同時に玉を落として怒られた。

最後まで残ってたのは結局ふっこ。

「くっそーいいとこ持ってかれたー！！ところでお願いは？何にしたの？」

「ふふ、多分Aやみんなと一緒よ。」

願いは一つ、甲子園に行けますように。