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【御幸一也】看病 ページ27

「ほら、着いたぞ」


「うん……ありがと」


季節の変わり目。なんか朝から赤い顔をしてるなーなんて思っていたら案の定熱を出していたAを自宅まで送り届けに来た。


部屋につくなり着替えさせて布団に寝かせて、その間にお粥を作って食べさせて薬を飲ませて……やれることは一通りやったつもり。


「熱は……ちょっと上がってそうだな」


コツンと額を合わせてみると学校で触った時よりもほんのり熱くなっているような気がする。


「んー、でも薬も飲んだし、寝て汗かいたら治るでしょ」


へへ、と小さく笑顔をこぼすも火照った頬に、少し荒い息遣いの彼女。なんか、やけに色っぽい。


「……なんかまじでしんどそうだな」


「大丈夫だよ」


「……俺がその風邪、貰ってやるよ」


熱い頬に片手を添え、わざとチュッとリップ音を鳴らして唇を重ねる。


1度唇を離して角度を変えて再び唇を重ねるが、今度は触れるだけのものとは違う。


「……ん、っ」


彼女の口から熱を帯びた吐息が漏れる。


とろんとした眼差し、熱を帯びた顔、荒い息遣い……いつもと違う彼女に俺のスイッチが入るのは時間の問題だった。


「なんか、今日のAすっげぇそそられる……」


気付けば首筋に落とした唇も段々下の方へと進んでいっていた。












次の日の朝。


結局Aの部屋にそのまま泊まる形になった俺は彼女の横で目を覚ます。


「……おはよ」


少し恥ずかしそうにしているお陰で良くは見えないけれども顔色は良さそうだ。


「はよ。どう?調子は」


「…多分治った」


「まじ?でもま、いっぱい汗かいたもんな」


「……なんかむかつく」


「はっはっは、そりゃどーも」


「褒めてない!ほら、朝練遅れるよ」


結局自分を押さえきれなかった俺は風邪を引いている彼女にお構いなしに数度体を重ねた。


今思えば最低なことだったかもしれないけど。


しんどそうな彼女の表情が誘っているようにしか見えなかったのだから仕方がないと自分に言い訳をして。実際彼女の熱も引いたもんだから良いだろうと思い込んだ。

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作者名:げび | 作成日時:2016年7月15日 22時

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