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【伊佐敷純】キッカケ2 ページ25

「……ふふ」


「……何笑ってんだよ」


「べっつにー、そんな風に思ってくれてたんだと思ったらなんか嬉しくて!うふふ」


「別にてめぇのこと認めたわけじゃねぇけどな」


「てめぇじゃなくてAだよー」


「呼ばねぇけどな!」


「えー、折角これを機会にじゅんじゅんと仲良くなれると思ったのに……」


「じゅんじゅんじゃねぇ!!」


「じゃあ、いさしっきー!」


「呼びにくいだろ」


「じゃあ仕方ないから純って呼ぶ!だから純もあだ名か名前で呼んでよー」


「……A」


「え?」


「A!これで満足か?」


「……うん!」


ニコニコと笑顔を浮かべる彼女はさっきまで先輩達に囲まれて色々と言われていたとは思えない。


「あ!てかちゃんとお礼言ってなかったね。


改めて、助けてくれて有難う純。」


「……おう」


「今度お礼にオススメの少女マンガ持ってくるね」


「なっ、なんで……」


「あれ?前にカバンの中に単行本入ってるの見えたから好きなのかなーって思ってたんだけど違った?」


「違……くねぇけど」


「やっぱりー!今思えばさっきの純も少女マンガに出てきそうだったよねー!」


「あー、ありがちだよな。」


「○○って知ってる?弱気な主人公が不良に囲まれる好きな子を助けるところから恋が始まるんだけど……」


「あれ超良いよな。でもやっぱり……」


彼女のリズムに乗せられまいと今まで極力避けてきていたのに、結局は乗せられてしまってるし。


気付けば少女マンガ談義で盛り上がっていた。


「じゃ、また後でねー!今度マンガ会ひらこーねー!」


ブンブンと手を振りながら自分の教室に入っていくAにやっぱり今日はついてねーな、とそう思いながら俺も自分の教室に戻った。

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作者名:げび | 作成日時:2016年7月15日 22時

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