【沢村栄純】調査２ ページ12
……ということで、あの二人がどんなオフを過ごすのか調べることにした。
「なんで僕らまで……」
「眠い…」
「春っち！降谷！隠れろ！御幸一也が出て来た！！」
今日は午前練習のみ。何時もの如く「球を受けろ！！」と声を掛けたところ「デートだから」とハッキリ断ら…白状した。
私服に着替えて出て来て御幸一也の後をつけていくと暫くしてこれまた私服に着替えたA先輩と合流する。
「…先輩可愛い……！！」
興奮気味の降谷を押さえつつ、後に続く。着いたのは少し大きいスポーツ用品店だった。
「へぇ、こんな大きなお店あったんだ！知らなかったな〜」
店の品揃えに感動する春っち。
「ごちゃごちゃしてて見にくいな…」
棚の隙間からこっそり二人を覗き込む。
何やら楽しそうにあねさんの守備用の手袋を選んでいるようだ。
その時チラリと御幸一也がこっちを見た気がした。
「やべっ」
１度棚の影に身を隠し、再び顔を覗かせた時御幸一也とあねさんの顔が重なってるのが見えた。
「なっ……！！こんなところで！！ハレンチな！！」
「栄純くんうるさいよ！降谷くんも！オーラしまって！！」
飛び出しそうになったのを春っちが止めてくれる。
「あ、ほら！二人とも出て行っちゃうよ！！」
春っちにそう言われて急いで追いかける。
追いかけて着いた先は学校。
「あれ、もう戻ってきたね」
「買い物だけだったのか？」
あねさんが更衣室へ、御幸一也は自室へ戻ったのを見て不思議に思う。
果たしてアレはデートと呼べるのか…そう３人で考えていると
「お前らなぁ、人のデートに着いてくるなんて良い趣味とは言えねぇぞ？」
「うわぁ！！出たぁあぁあああ！！！」
「はっはっは、ビビりすぎ」
背後から急に現れた御幸一也に驚いて尻餅をつく。
「ま、最初から着いてきてんのバレバレだったけどな。」
「なっ、じゃあアレは……」
「わざと見せつけてやろーと思って♡」
「…もうデートは終わりなんですか？まだ３時ですけど」
「ん？これから一緒に練習するけど。」
「それはデートと言うんでしょうか…」
春っち！良いこと言った！
「はっはっは、お前らには分かんねーだろうな。なんせお子ちゃまだからよ」
「――って感じで結局良くわかんなかったっす。」
「って、なんの報告だよ！」
調査報告:二人は二人にしか分からない付き合い方をしている
沢村栄純
「まとまってねーんだよ！！」
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作者名：げび | 作成日時：2016年7月15日 22時
