【沢村栄純】調査 ページ11
5号室
「……倉持先輩」
「あ?どうしたんだよ、そんな真剣な顔して。変なもんでも食ったか?ヒャハハ」
「あの、あねさんと御幸一也って付き合ってんすよね?」
「付き合ってんじゃねーの?」
「いつからっすか」
「俺らが1年の夏…くらいだったなー確か。気付いたら付き合ってたんだよ、あの二人。」
「本当に付き合ってんすよね」
「まあ確かに付き合ってる感じはしねーよな。
デートだっつって普通に練習してるとことかしか見ねーし。」
「……もしかしたらあねさんは御幸一也に騙されてるんじゃあないでしょーか…」
「は?そんなことねーだろ」
「いや、ずっと疑問に思ってたんすよ!!なぜ天使の様なお方とあの御幸一也が付き合ってるのか!!」
「……どんだけAさんのこと美化して見てんだよ。
でもまあ確かに俺も気になるな……よし、沢村。
お前が責任持って調べてこい!」
「うっす!」
こうして俺の調査が始まった。
まずは手始めに聞き込みから始めることにした。
「なんか知らねーか?春っち」
「急にそう言われても…。普通に仲良いと思うけど。」
「カネマールは?」
「あ?知らねーよ」
「東条は?」
「俺も特には…。二人で練習してるとこは見るけどね」
「降谷は?」
「……僕の方がA先輩と仲良し」
「そんなことは聞いてねぇ!」
手始めに同級生に聞いてみたが特に収穫はなし。
「ノリ先輩!ちょっとお聞きしたいことがあるんですが…」
「御幸とAさん?たまにブルペンで投げてるの見るけど。」
「休みの日に出掛けたのを見たことがあるが、すぐに帰って来て二人で素振りをしていた。」
「それは確かですか!!えーっと……」
「白州だ。いい加減覚えてくれ」
「仲はええと思うで?毎日家まで御幸が送っとるみたいやし」
「なるほど…」
少し収穫があったところで3年の先輩のとこに向かう。
「……ということで情報をいただきたいのですが」
「くだらないね」
「そう言わずに!お兄さん、あねさんと仲良しでしょう!」
「はあ……いつからか色ちがいのバッテするようになったよ」
「なんと!オソロイですか!!」
「まじかよ!?アイツら人前ではそういうとこ見せねーからな…」
「スピッツ先輩!」
「誰がスピッツだ!!!」
「俺に良い案がある。次のオフ、二人をつけてみたらどうだろうか。そうすれば何かが分かるかもしれないぞ。」
「流石はリーダー!!」
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作者名:げび | 作成日時:2016年7月15日 22時