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#002 Apr. ページ3

【亮介side】


新入生の挨拶が終わり、アップを始める中、新入生達がざわめきだす。


(新入生のくせに、生意気。)


そう思ったが、みんながざわつく理由は分かっている。



「A、挨拶しといたほうが良いんじゃない?」


自分の隣でゆっくりとストレッチを進める1人の部員に声を掛ける。


「んー?どしたの亮介」


自分が新入生達の話題の中心になっていることなど気にも留めず、足を延ばす彼女に続ける。


「ホラ、みんな見てるじゃん。Aのこと気になるんじゃない?」


そう言うとようやく気付いたのか新入生のほうに顔を向けると誰かと目があったのかニコッと笑っていた。


「あはっ、本当だねー!惚れられちゃったかなー、なんちゃって」


えへっと小さく舌を出して冗談を飛ばしてくる相手の頭に軽くチョップをくらわせると「いたた…」と頭をさすっていた。


マイペースな相手の態度に小さくため息をつき、そうじゃなくて、と続けようとすると



「コラァ!1年!!さっさとせぇや!!」



いつの間にかストレッチを終えランニングに移ろうとしていた3年生の先輩を率いる、東先輩の声に遮られる。



「A!!いつまでストレッチしとんねん!!」



「あ、はーい!亮介、行こっ」



「……まあ、いいか。」


1年生達は東先輩に少し怯えながらも、彼女に向ける目は変わっていない。



――面倒な事にならなければいいけど。



そう思いながらランニングの列へと加わった。

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作者名:げび | 作成日時:2016年6月6日 11時

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