夢の舞台へ (ページ12)

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#011 May ページ12

【幸奈side】

「うん、ちゃんと安静にしてたんだね。もう松葉杖は使わなくて大丈夫。

まだ運動は許可出来ないけどゆっくりストレッチから始めていきましょう」

「本当ですか！有難うございます！」

月が変わり、５月の頭。

怪我をしてからの３日間あっという間のようで動けない時間というのは長かった。

放課後、高島先生に連れられて病院に行くと順調に回復していることを告げられる。

「これで自由だー！！！」

膝の簡易的な固定はまだついているものの松葉杖をつかなくて良くなっただけで自由に感じる。

病院を出て両手を広げて喜んでいると高島先生に小さく笑われてしまう。

「ふふ、良かったわね。でも油断したらダメよ。捻挫は癖になるから」

「はーい！ところで先生、今から学校に戻って部活に参加してもいいですか？」

「うーん…本当はダメって言いたいところだけど……見学だけならいいわよ」

「わーい！高島先生大好きー！」

ぎゅーっと高島先生に抱き付けばふぅと小さく溜息をつかれてしまった。

久しぶりの部活……動くことは出来ないとしても部活に参加できるという事だけでとても楽しみで、

まさか部内で今あんなことが起きているだなんてこの時は思いもよらなかった。