５２話 彼のもくろみは… ページ4
「なのに…尊敬する先輩が
友達を傷つけるなんて嫌です」
悲しげそうに言うと、私は
今までまっすぐ雲雀を見つめていた瞳を
そっと逸らした。
すると彼は、
「………はぁ…っ」
興が冷めたと言わんばかりに
盛大にため息を吐き捨てて
トンファーを下ろした。
………なんかあきれられた？
「(まったく…君にはかなわないな)
わかったよ。早く僕の目の
届かないところに連れて行きなよ」
彼から感じた恐ろしい殺気はもう消えていた。
ホッ…
その言葉を聞いて、私は心底安心する。
「沢田君、２人のことお願いね！」
「…ああ」
獄寺と山本を担いで運び出す途中、
沢田は少し不安そうに目くばせしたが
(死ぬ気だから白目だけど)
私はそれに満面の笑みで答えた。
大丈夫だから、私に任せとけ！
「行くぞツナ」
沢田はやるせなさそうだったけど、
リボーン君のあとを追う形で
２人の安全のために私の指示に従ってくれた。
──パタン
扉が閉まると、
騒がしかった応接室は一気に静まり返って
私と雲雀は再び無言のまま視線をかち合わす。
しかし、そこには張りつめた
険悪な雰囲気など感じられなかった。
「代わりに君は
僕の言うことを聞いてくれるね？」
先程よりも幾分か
和らいだ口調で雲雀が言った。
それは、２人きりになった時のいつもの彼だ。
「はい、可能なことでしたらどんなことでも」
“可能”なことなら…ね。
雲雀の性格なら
平気で無理なことを言いそうだけど……
「僕を名前で呼んで」
「え」
はい……？
「何…嫌なの？」
「いえ！意外だったのでつい…
じゃ…じゃあ、きょ…恭弥先輩…？」
たしか雲雀って普段は
腹心の草壁にも名前で呼ばせないよな？
な…なんで私が！？
よくわからないけど、かなりテレる…っ！
「うん(先輩はいらないけど…)あと一つ。
僕はこれから昼寝するから
君は僕が起きるまでずっと枕になりなよ」
メルヘンきたー！！！
「ええっ！？
あ、あの…じゃあ午後の授業はどうすれば…」
いやいや！！！
そんなことするなんて恥ずかしくて死ぬ…っ
「サボりなよ。僕の命令だって
風紀委員から担任に伝えさせとくから」
そんな最強の後ろ盾があったら
どんな先生も確実にサボりを黙認するよ…
え……なにこれ……
……────もう逃げられないカンジ？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ラッキー守護者
雲雀恭弥「群れたら咬み殺すよ…（その草食動物たちを）」
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チロルチョコ(｀･ω･´)(プロフ) - おもしろいです！！ラッキー守護者が六道骸だったので、うれしいです♪更新頑張ってください！ (2014年8月4日 13時) (
レス) id: c20b7c1abb (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 里桜さん» ありがとうございます！気に入っていただけて何よりです(^-^)/ (2013年5月26日 10時) (レス) id: 10f640527f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2013年1月8日 1時
