５１話 反発した私たちは… ページ3
「これ以上沢田君たちを
傷つけないでください！」
「ふぅん……
(この草食動物とずいぶん親しそうだね)
……君はこの草食動物の味方なの？」
今まで私に向けたことのない冷たい目で
彼は私をじっと見据えた。
普段の不機嫌なときよりも
数段強い殺気を肌で感じる。
「はい」
それでも臆することなく
私は毅然とした態度で答えた。
こんな殺気を受けても冷静でいられるのは
日ごろの鍛錬のおかげかな…。
すると──…
「じゃあ…(カチャッ)
………君も僕に咬み殺されていいのかい？」
首にトンファーを突き付けられた。
ヒヤッとした鉄の感触が
私の緊張を高まらせる。
雲雀のこの目……本気で人を殺しそうだ！
「Aっ！！」
この光景にはさすがに沢田もうろたえる。
でも、ここで引き下がったら
彼のピンチに目を瞑ったことになる。
それだけは嫌だ──……
「どうぞ、私はお好きなようにしてください」
「((ムスッ)脅しに屈する子なら楽なのに…)
なんで君が身を挺してかばうの？」
雲雀がグッとトンファーに込める力を強め、
のどが圧迫されて苦しい。
よほど私のすかした態度が
気に入らなかったんだろう。
なんで私が沢田たちをかばうかって…？
そんなの──……
「それは彼らが大切な友人だからです」
こんな群れるようなこと言ったら
コイツはさらに気分を害すと思うけど…。
「たしかに……生徒会長として
獄寺君の喫煙に関しては
弁解の余地がありませんが、
彼らは(たぶん)手違いでここに
きてしまったのです。
それだけで暴力をふるうのは制裁ではなく
ただの横暴です！！」
さっきの緑化委員みたいに
雲雀の権威を下げる意図はないはず。
「黙りなよ」
──グッ！！
痛…っ！
コイツ…人の気も知らないで実力行使かよ！
「いえ、黙りませんっ！
私は雲雀先輩のことを
心から尊敬しているんです！！」
「！？」
彼は私の思いもよらぬ言葉に
トンファーに込めた力を緩めて
キョトンと立ち尽くした。
真剣にのどが痛かったから、助かった…。
それに──…
今までずっと思っていたことを
ちゃんと伝えられてよかった。
だって、私は──……
同じ志を持った闇姫として──……
同じ人を束ねる立場の生徒会長として──……
────本当に彼を尊敬しているのだから。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ラッキー守護者
雲雀恭弥「群れたら咬み殺すよ…（その草食動物たちを）」
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チロルチョコ(｀･ω･´)(プロフ) - おもしろいです！！ラッキー守護者が六道骸だったので、うれしいです♪更新頑張ってください！ (2014年8月4日 13時) (
レス) id: c20b7c1abb (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - 里桜さん» ありがとうございます！気に入っていただけて何よりです(^-^)/ (2013年5月26日 10時) (レス) id: 10f640527f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2013年1月8日 1時
