四十話 竈門家との別れ ページ42
すると、炭ちゃんが──…
「Aお姉ちゃんは
いつもすっごく甘い匂いがするね」
不思議そうに呟いた。
「たぶんそれはみんなが可愛すぎて
つねに悶えてるからだよ」
どうやら萌えの感情は甘い匂いらしい。
この数年、みんなの成長を見守ってきたけど
竈門家が居心地よすぎて…
もう…切実にここんちの子になりてぇ…！
けど、残念ながら今日でお別れなのだ。
＊ ＊ ＊
「もう、行くのかい？」
「はい……狭霧山の場所を教えてくださり
ありがとうございます。
まずはそこを目指します」
名残惜しそうに見送りしてくれる
竈門家の皆さんに深く頭を下げた。
鱗滝さんのいる狭霧山に行って
そろそろ水の一門のフラグを折らなくては…！
「やだぁ…！行っちゃやーなの！」
「だめだぞ禰豆子……
Aお姉ちゃんを困らせちゃ…」
そう言う炭ちゃんも泣きそうである。
旅立つ決意がプリンのごとく
ぶるんぶるんと揺れ動きまくっちゃう…！
ずっと一緒にいたいのは山々だけど
救えるかもしれない人を
見ないふりして放置はできない。
それに……私がいない方が
みんなは平穏な暮らしができる気がする。
お菓子とかおもちゃとか
もはや趣味の貢ぎ物は定期的に送るからね！！
「みんな…Aお姉ちゃん頑張ります！
健やかに元気でいてね」
「また会える？」
「…──絶対に、会えるから」
原作の強制力が
どこまで働くかは未知数だけれど──…
炭十郎さんの病を治して、
日輪刀を渡して、
藤の花は用意してくれる予定で…
あと、愈史郎さんからもらった
目隠しの術の紙も渡しておいた。
特に炭ちゃんが十三歳前後の頃の
雪の日に使ってくださいと
炭十郎さんには念押ししといたぞ！
それに、私はヒノカミ神楽を習ったし
太陽の克服は…のちに青い彼岸花を頼ろう。
────うん、きっともう大丈夫。
泣きそうなのに精一杯の笑顔で見送る
みんなに応えるべく私は
ちぎれんばかりにぶんぶんと手を振り返した。
いつか…また、みんなで……
―――――……
―――…
のちに──…
私は、このときの自分の考えの浅はかさを
ひどく後悔することになるのだが……
…────当時の私は知る由がない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続く
ご愛読ありがとうございます！！
今から無慈悲なことを宣言しますが
残念ながら救えない命…折れないフラグも
この小説には存在します(´;ω;`)ﾌﾞﾜｯ
ラッキーアイテム
ピカピカどんぐり 伊之助に子分と認められます！
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亜紀野ユキ(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» そちらもご閲覧ありがとうございます(*^ω^) (2022年10月26日 14時) (
レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンの作品書いてたの作者様だったのですね！あの作品とても面白くて好きです！ (2022年9月28日 22時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - Zxcvbnm9090さん» (*´∀｀*)ﾎﾟｯ…ありがとうございます!!頑張りますb (2021年11月20日 12時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
Zxcvbnm9090(プロフ) - 鬼設定がまず面白い上に主人公のキャラが好きです！！推しのために貢ぐ笑最高でした！これからも楽しみにしてます！！ (2021年11月20日 9時) (レス) @page47 id: 2e6009ddad (このIDを非表示/違反報告)
亜紀野ユキ(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます(*´ω｀*)ﾃﾚｯ (2021年11月13日 7時) (レス) id: 737b70383c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜紀野ユキ
| 作成日時：2021年9月10日 17時
