推し変したら好かれた【2434】【akn】

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黛灰side



有難うございました、のメッセージを見て携帯の電源を落とした。

あとはこれで明那が連絡すればいい。

そこは彼自身の判断だから俺にはどうしようもないけど。

もう立ち上がっているパソコンで、明那に連絡先を藍河さんに渡した旨を伝えるチャットを送っておく。

想像していたよりもずっと、彼女はいい人だった。

きっといつも優しいんだろう。

かといって俺は何をするでもなく友達として明那のフォローを入れるだけ。

数少ない友達だからこそ、素敵な人と幸せになってほしい。
それは別に間違った感情じゃないでしょ。

明那は今ごろ何をしてるんだろう。

あんな無気力状態だったのに大学の講義でも受けに行ったのだろうか。

昨日の彼の惨状を思い出すとそれはあり得ない気がした。

藍河さんと会った直後の明那は、普段の三枝明那とは信じられないほどに口数が減り、何を聞いても浮の空。

挙げ句の果てには自分の家すら、混乱で忘れ出す始末だった。

それも今日で終わりでありますように。

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