。 ページ9
「なんで泣くんですか」
「う、っ、うぇえ」
アマイモンには、自分が酷い事をしたという自覚はなかった。
相手の気持ちを考える事が、誰よりも乏しかったのだ。
「…ごめんなさい、やり過ぎました」
「ほんと、そうだよっ、痛いし、…最悪ッ」
「嫌いになりました?」
「…別に、そこまでは」
酷い事はされたものの、アマイモンの事を嫌いにはなれなかった。
「…アマイモンはさ、私の事嫌いなんでしょ」
「はい?」
「私とは仲良くなりたくないって、いつも言うじゃん」
「それは、」
いつか聞かれるとは思ってはいたものの、いざこうして言われると、何を言えばいいかアマイモンは分からなくなった。
「嫌いじゃないです」
「嘘だ」
「本当です」
「嘘だ!」
「…ボクの事を嫌いのは、キミの方じゃないですか」
「は!?なんで?私はずっと仲良くしたいと思ってたし!」
「へー、そうですか。じゃあなんであの時、」
そういいかけて、アマイモンは言葉を詰まらせた。
わざと自分から突き放しておいて、その事を言うのも、なんだか気が引けたからだ。
「?なに、あの時って」
「…なんでもないです」
「言わないと私、ホントに嫌いになるよ」
「……、なんですかそれ」
「ほら、早く」
そうせかすAに、アマイモンはもうどうにでもなれと、口を開いた。
「兄上に好きって言った時、なんでボクにも言ってくれなかったんですか」
そういって、プイッとそっぽを向いたアマイモンに、Aは唖然とした。
「ん!?え!?」
「っ、…やっぱ嫌いです」
「嫉妬…?」
そう言ったAにブチンと頭が切れたアマイモンは、思いっきりAにビンタした。
「いっだああああああ!!」
「うるさい黙れ。やっぱりボクはお前が嫌いだ!!」
「あーあーそうですか!私も嫌いだよお前が!!」
二人がいる部屋に、物を投げる音や何かが壊れる音が響く。
その後、メフィストがぐちゃぐちゃになった部屋の光景を見て、大説教をかまされる。
そして、そんな犬猿の二人が仲良くなるなど、一体誰が予想出来ただろうか…。
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千里 - 一個目誤送信ですすいません(´;ω;`) (2023年2月13日 0時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
千里 - もうずっっっっと前からアマイモンが大好きな人間です。初めてこの作品を読ませていただいた4年ほど前、見事に性癖に刺さってしまい、以降たまに読みかえしては尊さでのたうち回ってます。ほんとうに素敵な作品をこの世に生み出してくれてありがとうございます… (2023年2月13日 0時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
千里 - もうずっっっっと前からアマイモンが大好きな人間です。初めてこの作品を読ませていただいたときに見事に性癖に刺さってしまいずっとたまに読みかえしては尊さでのたうち回ってます。ほんとうに素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます… (2023年2月12日 23時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー(プロフ) - Aの化身さん» 良いですよね!本当に悪魔兄弟大好きです!メフィストのお話も、今後増やしていくつもりですので、お待ちくださいませ! (2019年11月6日 13時) (レス) id: ccccfeeb81 (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 悪魔兄弟良いですよね〜個人的にはもっとメフィストのお話も読みたいです。更新頑張ってください。 (2019年10月21日 0時) (レス) id: fe6a81f182 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あっきー | 作成日時:2019年7月15日 17時