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「な、なにそれ…?」

「キミはボクと仲良くしたいんでしょう?
だから、」


そういって、Aの髪を触り始めたアマイモンに、背筋が凍った。


「や、やめっ、触るな…!」


抵抗しようにも、アマイモンの尻尾に縛られて身動きどころか、腕一本も動かせない。

こんなの、ふれあいなんかじゃない。
一方的にアマイモンに、さわられているだけだ。


「本で読みました。仲良くなる第一歩は、ふれ合う事だと」

「む、むり…やだ、むり…」

「キミがボクと仲良くなりたいオーラを出すから、こんな事になるんでしょう?」


カタカタと震えるAに、アマイモンは首を傾げた。

Aは小さい頃から、誰かを触ったことも、誰かに触れられたことも、ほとんどなかった。

つまり、こういう事に慣れていないのである。
それどころか、この行為には拒絶さえ覚えた。


「うぅ、うー……む、むり」

「もしかして、こういうの苦手なんですか?」

「は、は!?んなわけっ」


Aの反応を見て、図星かとアマイモンは察した。
だが強がるなら、それはそれで面白い。


「じゃあ別にいいじゃないですか」

「ぁあああ」


Aの手に指を絡めれば、棒のような悲鳴をあげた。
それが面白くて、どんな顔をしているのか気になったアマイモンは、上からAの顔を覗きこんだ。


「…どういう顔してるんですか」


顔を真っ赤にして恥ずかしそうに目を伏せるAを見て、アマイモンは見なければよかったと後悔した。


「ってか、いつまで触って…。兄様に言うよ」

「…」

「な、なに」

「キミはいっつも兄上のことばかりですね」


その言葉と共に、Aに巻き付いていた尻尾がキツく絞められていく。
ミシミシと体が潰されるような感覚に、Aは悲鳴をあげた。


「い、ったい!痛い痛い!!」

「ボクの痛みを知ってください」

「は!?」

「こうなったのも全部、キミのせいです」

「っ意味がわかんない!!」

「キミを見ていると、いっつも痛い」


唇を噛んで苦しそうな顔をしたアマイモンに、Aは唖然とした。
いつも無表情なアマイモンがそんな顔をするなど何事かと思った。

しかし、そう思っている場合ではない。
全身がミシミシと叫んで、骨が砕けそうだ。

(ああああ死ぬぅういうう)

いよいよ死を覚悟した時に、アマイモンは尻尾を緩めた。


「う、ぐ…うぅ…」

「これがボクの痛みです。Aも反省してください」

(なにを反省すればいいのさ…)

。→←。



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設定タグ:青の祓魔師 , メフィスト・フェレス , アマイモン   
作品ジャンル:アニメ
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千里 - 一個目誤送信ですすいません(´;ω;`) (2023年2月13日 0時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
千里 - もうずっっっっと前からアマイモンが大好きな人間です。初めてこの作品を読ませていただいた4年ほど前、見事に性癖に刺さってしまい、以降たまに読みかえしては尊さでのたうち回ってます。ほんとうに素敵な作品をこの世に生み出してくれてありがとうございます… (2023年2月13日 0時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
千里 - もうずっっっっと前からアマイモンが大好きな人間です。初めてこの作品を読ませていただいたときに見事に性癖に刺さってしまいずっとたまに読みかえしては尊さでのたうち回ってます。ほんとうに素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます… (2023年2月12日 23時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー(プロフ) - Aの化身さん» 良いですよね!本当に悪魔兄弟大好きです!メフィストのお話も、今後増やしていくつもりですので、お待ちくださいませ! (2019年11月6日 13時) (レス) id: ccccfeeb81 (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 悪魔兄弟良いですよね〜個人的にはもっとメフィストのお話も読みたいです。更新頑張ってください。 (2019年10月21日 0時) (レス) id: fe6a81f182 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あっきー | 作成日時:2019年7月15日 17時

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