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サマエルは仕事が空いた時間、アニメを見たりゲームをしたりすることもなく思い浮かべるのは、いつもAの事だった。
無愛想で人に興味がない八候王の悪魔、A。
数十年前、自分の目の前で息を引き取った愛おしい我が妹の事だ。
そして次に思い出すのは、己の築き上げた学園に通っている人間のA。
サマエルにとって、どちらも同じくらい大切な人物だ。
「…残酷だな」
人間のAが自分に向ける、あの控えめな態度。
それだけで自分の心は深く傷付いてしまう。
「はぁ…私ってこんなにもシスコンでしたっけ」
全然あの子に構ってあげなかったというのに何を今更、
『サマエル兄様、遊んでください』
『サマエル兄様、これってなんて読むんですか』
『サマエル兄様___』
「A」
「…兄上?」
いつの間にか隣にいたアマイモンに、サマエルは思いっきりげんこつを食らわせた。
「痛いです」
「お前が音もなく私の隣にいるからだろう」
「兄上、」
声色を変えるアマイモンの声に、サマエルは嫌な予感がしてピクッと眉を動かした。
「兄上はさっき、Aの名前を口にしていました」
「…」
「“あれ”は、Aなんですか?」
アマイモンもまた、Aが亡くなった時に嘆いていた兄の内の一人だった。
．．．．．．．．．
数ヶ月前の正十字学園の入学式…
サマエルは偶然、人間のAを見つけた。
一目で妹だとサマエルは気が付いた。名前も外見も全く一緒だったのだ。
ただ、性格や自分に対する態度を除いては。
(生まれ変わったのか…)
お前の言っていた“悪魔は死んだら生まれ変わる”というのは本当だったのか。
(もう二度と会えないと思ってたのに)
最期まで、私の妹で居たいと嘆いたAをサマエルは昨日の事のように思い出す。
『悪魔が死んだら、魂を浄化され記憶を失い、人間に生まれ変わると聞きました』
せめて、
私とは兄妹だったことも忘れ、人間として平和に暮らして欲しいと思ったサマエルは、Aとの思い出を、自ら封印したのだった。
しかし、それは簡単なことではなかった。
“もうあの子は私の妹ではない”
“この子は別のAであって、私の求めているAじゃない”
そう自分に思い聞かせても、Aに会うたびに胸がいっぱいになり、毎回抱きしめたい衝動にかられてしまうのだ。
それがもう、妹じゃなかったとしても。
「兄上らしくないですね」
そう言ったのはアマイモンだった。
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千里 - 一個目誤送信ですすいません(´；ω；`) (2023年2月13日 0時) (
レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
千里 - もうずっっっっと前からアマイモンが大好きな人間です。初めてこの作品を読ませていただいた４年ほど前、見事に性癖に刺さってしまい、以降たまに読みかえしては尊さでのたうち回ってます。ほんとうに素敵な作品をこの世に生み出してくれてありがとうございます… (2023年2月13日 0時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
千里 - もうずっっっっと前からアマイモンが大好きな人間です。初めてこの作品を読ませていただいたときに見事に性癖に刺さってしまいずっとたまに読みかえしては尊さでのたうち回ってます。ほんとうに素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます… (2023年2月12日 23時) (レス) id: fb450dd546 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー(プロフ) - Aの化身さん» 良いですよね!本当に悪魔兄弟大好きです!メフィストのお話も、今後増やしていくつもりですので、お待ちくださいませ! (2019年11月6日 13時) (レス) id: ccccfeeb81 (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 悪魔兄弟良いですよね〜個人的にはもっとメフィストのお話も読みたいです。更新頑張ってください。 (2019年10月21日 0時) (レス) id: fe6a81f182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あっきー | 作成日時：2019年7月15日 17時
