34話 目的 ページ36
…Aは気付かない。
これが、ただの推理力テストではないという事に。
Lの本来の目的は、推理テストで月とAの反応を見ることだというのに。
月「四枚目の存在に気付かなかった時点で、僕たちは、不正解だったんだなぁ…」
「何いってんのよ月！不正解じゃないよ！」
月「A、一旦落ち着いて？」
月に頭を撫でられても、Aの怒りは静まらない。
どうしてこんなくだらない男に、不正解だなんて言われなきゃいけないの？
大嫌いだ…αなんて、みんな大嫌いだ…！！
月「…しかし、Lを挑発するだなんてね…。
なんかこう、キラはもっと、大人のイメージを持っていたのだけれど」
L「キラは負けず嫌いですよ。Aさんみたいにね」
「ッ！？」
Lのその言葉に、Aは明らかに動揺を見せた。
Aの動き1つ1つを、Lは見逃そうとはしない。
(…これは、帰ったほうが良さそうだ)
Lが己を観察しているのに気付いたAは、一刻も早く男から離れようと、席を立とうとする。
そんな時だ。Aの携帯が鳴り響いたのは。
prrrrr…
誰かと思い、Aが携帯を取り出すと、携帯の画面には"母"と表示されているではないか。
電話をかけてくるなんて、珍しいなと思った。
「はーい、もしもし？」
母『A！A大変よッ！』
「え、なに？そんなに慌てて」
母『お父さんが、心臓発作で倒れてッ…！』
「…は？お父さんが、心臓発作…！？」
Aの言葉に、月とLが勢いよく立ち上がった。
電話を切った後、月に腕を引っ張られ、三人は急いで喫茶店を出る。
目指すはもちろん、父のいる病院だった。
◆◆◆◆◆
母「月、後は頼むわよ」
月「うん、任せて」
母が、病室から静かに出ていく。
この場に残るのは、ベッドに横たわる父の総一郎 と、月とAとLの、四人だけだった。
月「本当にただの過労なんだろうな？」
父「あぁ、心配をかけてすまない。倒れる瞬間、キラの仕業だと思ったんだがな。
…ここ最近、無理をし過ぎたようだ」
私がお父さんのことを殺すわけないじゃない。
Aはそっと、父を抱きしめた。
L「息子さんと娘さんがキラだと疑われていては、倒れるのも無理はないですね」
月「…あぁ、やっぱり僕らは疑われてるのか」
「というか、なんで当たり前にここに居るのよ。偽L」
Aが鋭い目付きでLを睨めば、Lが総一郎の方へ顔を向ける。
そんなLと顔を合わせた総一郎は、意を決して話し始めた。
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作者名：あっきー | 作成日時：2019年5月1日 12時
