date 51 ページ7
翌日。
なんだかすっきりしない気持ちのまま、家を出た。
薫「おはよ、音」
「おはよう。」
薫「なんか、あんまり元気ないね?」
「ちょっと寝不足なだけ・・・・」
薫「勉強してたとか?」
「まぁ・・・そんなところ。」
薫「音は偉いね〜」
なんて呑気に笑う薫を横目に、自転車を転がした。
薫「そういえばさ、ずっと気になってたんだけど。」
「なに?」
薫「ほら、僕たちほぼ毎日一緒に登下校してるじゃん?」
「うん。それが?」
薫「音は、何でわざわざ自転車転がしてるんだろうって思って。」
「一緒に帰らないこともあるし、それに・・・」
『ラボに行くときに便利だから』
そう口にしようとしたとき、藍のことを思い出した。
薫「・・・音?」
「っ!ごめん、なんでもない・・・」
薫「・・・やっぱり、何かあったの?」
「大丈夫。本当になんでもないから。」
薫「聞かれたくないこと?それとも、言いたくないこと?」
「え・・・?」
薫「僕、馬鹿だから、音が今どんなこと考えてるとかわからない。・・・けど、僕は音のために何かしてあげたいと思ってる。」
「薫・・・」
薫「『好きな人』には、幸せであってほしいから。」
そう言って、薫は少し照れくさそうに笑った。
「ありがとう、薫・・・。」
薫「・・・本当は、僕が音を幸せにしてあげたいけど。」
「・・・っっ!!・・・・そういうこと、言わないで・・・」
薫「純粋だなぁ〜、音は。」
そう言って、いつものキラキラした笑顔を見せた。
21人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒猫かたつむり(プロフ) - 完結おめでとうございます!薫オチ楽しみにしているので、頑張ってください! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 1f108ce0c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:咲姫 | 作成日時:2018年4月11日 20時