大空に舞う白雪第２章 (ページ25)

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第73話　誕生ページ25

Aが生まれたのはイタリアの海が見える港町だった。

Aが生まれたとき全身から白い光のような炎が溢れだし私を包んだそうだ。

両親はそれがすぐに死ぬ気の炎だと気づいた。

だけどこの炎の属性は全くわからなかった。

母親のように雲と霧の属性でもない。

父親のような雨と大空でもない。

もちろん他の属性にもこんな真っ白な炎なんて見たことも聞いたこともない。

それは様子を見ていた従者たちも同じだった。

しばらくして炎は収まりAの体に溶け込むようにして消えていった。

二人は驚いたが、神からの贈り物だと考えた。

この子には他の者たちにはない大いなる使命を持って産まれた子なのだと。

しかし、この炎がどんな力を持っているのか分からないため、二人はこの炎のことをここにいる者たちだけの秘密にしようと決め、一切他言しないと誓わせた。

それからAは普通の子供と同じようにすくすくと育った。

くりっとした大きな目は母親の灰色の瞳を受け継ぎ、少し癖のある髪は父親から受け継いだ。

受け継いだのは容姿だけでなかった。

いつも太陽のような笑顔で周りを明るくするところも母親似、頭の回転が早く勉強も運動神経も人よりできるけど、どこかおっちょこちょいなところは父親似だった。

そして何よりAの一番の魅力は

誰にたいしても優しく、貴族の娘であるのにそれを自慢気に思うことなく、どんな人とも平等に接すること。

それが人を魅了し周囲に愛された。

周りを自然と惹き付けるため、この子なら！と誰もが時期当主は彼女だと思った。

そして将来当主を引き継がせようと考えた母親はロシアに帰ることを夫のアルヴェルトとAに諭し、帰国した。

それがAが3歳の時。

そしてAが10歳の時。

新たな家族が増えた。

父「A、こっちに来なさい。」

A 「なぁにお父様？」

父「お前に紹介したい子がいるんだ。会ってくれるかな？」

A 「はい！もちろん！」

父「じゃあ奥の部屋で少し待っててくれるかな？父さんがつれてくるから。」

A 「わかりました！(女の子かな？お友達になれるといいな！)」

そんなことを思いながらAはスキップで奥の部屋へと向かった。

続く