大空に舞う白雪第２章 (ページ24)

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第72話　長い話ページ24

夜

みんなが寝静まった頃にジョットの部屋に立ち尽くす

大丈夫。

きっと大丈夫。

ジョットならきっと受け入れてくれる。

羽織っていたストールをかけ直して息を吐いてから軽くノックをした。

中から入るように言われ扉を開けると甘い香りが漂ってきた。

A 「遅くにごめんなさい。」

ジ「いや、いいんだ。寧ろこの時間にしか都合が取れなくてすまないな。誰にも邪魔されず話せる方が良いと思ってな。」

ジョットの向かいのソファーに座るとテーブルに置かれるティーカップ。

中身はココアだった。

甘い香りの正体はこれか。

A 「このココアは？」

ジ「紅茶にしようと思ったんだが、君は紅茶よりもこっちのほうが好きだろう？」

どこか得意そうに笑いながらそれを飲むジョット。

飲んでみると確かに私好みの甘いココア。

どこか懐かしいような気もする。

本当にこの人は私のことをよくわかっているんだから。

ジ「それで、話とは？」

カップを置いて少し前のめりになったジョットに、私も少し姿勢を正し懐に入れていたホワイト家の印璽が入った手紙をテーブルに置いた。

A 「先日、ホワイト家の従者から手紙が届きました。内容はお母様の父親つまり私のお爺様が病に侵されもうダメかもしれないから帰ってこいとのことです。

そして、現当主お爺様が亡くなった後にはホワイト家を継ぐ後継者を発表することとなります。順等に行けば恐らく私がホワイト家を継ぐことになるでしょう。」

ジ「確かに。前当主は君の父親アルヴェルトだったが病によって急死し、君が当主となるはずだった。だがホワイト家はロシア全土を揺るがすほどの貴族だ。まだ幼かった君に任せるのは荷が重すぎると一族は考え、当主はアルヴェルトの前当主アルドに一旦戻された・・・のだったな？」

A 「・・・半分だけ正解ですわ。」

ジ「！？」

A 「ジョット聞いていたがけますか？私が産まれてからの・・・ホワイト家の長い長い話を・・・。」

じっと瞳を見つめながら問いかけるとジョットはゆっくりと顔を縦に振った。

ジ「ああ聞こう。どれほど長い話でも・・・。」

続く