続き ページ2
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＿＿パチリ＿＿＿
それは、見覚えのある天井。
医務室？……なんでだ？俺は死んだハズ…
まぁ考えても仕方ないな…
当然付きっきりで看病する訳でもなく周りに人はいないので、部屋の外に誰かいないかと探しに行こうとドアを開けると＿
「うおわ?!」と、タイミングよくサンディがいた。
サンディの顔はすぐに驚愕から歓喜に変わっていって…
「おいみんな！ザックが目ぇ覚ましたぞ！」
というサンディの声が合図になり、ドタドタと足音が響く。
ガチャ＿＿
「ザック…！」
とドアが開く音と同時に聞き覚えのある声……
ナイジェルとジリアンか。
「どうした…？」
「どうしたじゃないわよザックのバカ！
ホンットに無茶ばっかり！
いつも怪我して帰ってきて慣れちゃったけど
今回はボロッボロの状態でナイジェルが泣きながら帰ってきてホンットに焦ったんだからね！」
「泣きながらは余分だけどそうだぞザック！」
「……だが、あの状況のナイジェルは敵に気づいていなかった。
庇うのが1番合理的だった。それに「お前が怪我をするならば俺が代わりになる」……」
「分かってるよ。
ザックの言いたいことなんて。
でもザックが死ぬかと思ったとき、俺ホントに焦った。
頭ン中真っ白になって、なんも考えられなくなって。
俺は、俺達はザックが無茶し過ぎないでほしいって思ってるから。
頼むから、自己犠牲なんて、俺らの命と自分の命を天秤にかけることなんてしないでくれよ……」
ナイジェルの話を聞いてる内にいつの間にかみんな集まっていて、真剣な面持ちでこちらを見ている。
＿ああ、そんな顔でこちらを見ないでくれ。
心配するような眼差し、可哀想なモノを見る様な瞳、同情の表情。
1番苦手だ。俺が惨めに見えて仕方ないから。
「ザック」
＿いつも冷静に見通すオリバーの瞳は苦手だ。
俺の汚れた心を見透かされてるみたいで。
俺の存在意義はお前らを守ること。
だから無茶をしても助けに行く、それが俺に出来ること。お前らが大切で大切で大切たまらないから。
それなのに今俺は…
守るハズの仲間から守られている。
「おい聞けザック」
俺は守る側なのに。
それなのに。
自分の存在意義を否定された様な気がしてならなかった。
俺の生きる意味はなんだ…
仲間を守ることだろう？命に変えても。
なのにお前らは何故そんな顔をするんだ…？
分からない。俺には。
＿＿＿＿俺の存在意義も、お前らの事も。
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作者名：アキレス腱 | 作成日時：2019年4月28日 14時
