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院内学級 ページ4

涼介サイド


――――――ドアの向こうに立っていたのは。


涼介「有岡、先生?」


院内学級の先生、有岡先生だった。


有岡先生「今日、院内学級の日だったでしょ? 来ちゃったよ」


先生の手には、大量のプリントがあった。


伊野尾先生「大ちゃーん、あとよろしく。涼介、無理すんなよー」


涼介「うん」


侑李「伊野ちゃん先生、じゃあね」


伊野尾先生は、「バイバイ」と言って部屋を出た。


有岡先生「よし、始めよっか。二人とも調子悪くなったら言ってよ」


俺たちは「はーい」と返事をした。


数分後―――――――


有岡先生「……だからね、この小さい数字の数だけ、この大きい数字をかけるんだよ」


累乗の指数。



中2の俺たちが勉強するような内容でないことは自分でも十分に理解している。




普通だったら、去年やる予定なのだろう。




侑李「ああ、そーゆーこと? なるほどね」



優等生な侑李は、一度説明されたらある程度は解けてしまう。



でも俺には、この問題は難しく感じた。




有岡先生「おーい、涼介ー? 手が止まってるけど大丈夫?」



涼介「大丈夫じゃない。わかんない」



さっきまで説明を受けていた侑李はもうコツをつかんだらしく、スラスラと問題を解いていた。


有岡先生は、俺のベッドの近くに椅子を出して座った。


「調子どう?」と侑李には聞こえないくらい小さな声で聞かれたから、俺も小さな声で「大丈夫」と答えた。




有岡先生「ここだな。えーっとこれは……」




先生の説明は、いつも分かりやすい。




涼介「なる……ほど……」



有岡先生「わかった?」



涼介「うん。ありがと」




「大ちゃん先生」と侑李が呼んでいる。



有岡先生は、俺に「無理すんなよ」と言って、侑李の方に向かった。



侑李「ねえ、せんせ。疲れたぁ」


有岡先生は「そんなことで呼ぶなよなー」と言って、こっちにUターンして戻ってくる。


侑李「ねぇ、せんせ。なんか話聞きたい!」


優しい有岡先生は、侑李のそんなわがままも聞いてくれる。



有岡先生「ちょっとだけなら……いっか!よし、ふたりとも休憩な。どんな話がいい?」



侑李「僕らの先生たちの秘密の話ー!!」



有岡先生「嫌なこと聞きたがるなぁ」



涼介「俺も聞きたい」



有岡先生「あーもうっ! ちょっとだけだぞー」




有岡先生は、そう言っていろいろな話をしてくれた。

秘密の話(?)→←院内学級



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作者名:J | 作成日時:2020年3月15日 20時

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