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伍拾肆 ページ11

弓乃side

それにしても、天才なんて呼ばれてるアゲハ達が、ピアノができない、だなんて意外ね。まあ、できないものがあったほうが人間らしさはあるけれど。

いや、それよりも、なんで私まで、ここにいるのかしら?

彩に強引に連れてこられたけど。

A「いやぁ、でっかい校舎だね。さすが、お金がかかってるだけある。」

空「高校なのに無駄に学科あるからね。」

奏「ここが、夢ノ咲学院。来年から、私が通う場所。」

弓乃「それぞれ感傷にひたるのはいいけれど、人様の邪魔になるわよ。」

アゲハ「「「はーい」」」

こんなんでいいのかしら? アゲハの子達に敬語をはずせなんて言われたけど、慣れない。

彩「A、Valkyrieのライブ、相当楽しみにしてたんですね。いつもよりテンションが高い」

そう、今日はValkyrieのライブの日なのだ。



開演ブザーがなってしばらく、Valkyrieのライブは、突然始まった。

繊細かつ、完成度の高い、アイドルのライブ、というより、作品と言った方が適切かしら?

透き通るボーイソプラノって、すごいわ。高校生でも出せるものなのね。

彼らは、きっと、コズプロの敵になりうる。味方であればいいのに。




空side

曲のセンスよし、歌唱力よし、うん。悪くない。ビジュアルはどうでもいいとして、こういうのもいいね。Aも好きそう。

凄くいい収穫ね。さてさて、どうやValkyrieは口ぱくっぽいね。意図的に、ライブを失敗に追い込むやからとかいないといいけど。

うちらもやられかけたからなぁ。うちらは口ぱくなんてしてないから問題はなかったけど。

まあそこは今はどうでもいいか。この、アンティークな雰囲気を楽しもう。


A「ふふ、どうだった?」

Aは大満足のようで。とにかく会場から出ないと、ばれたら面倒。

空「めっちゃよかった。こういうの好き。」

奏「こんな先輩がいるんだ。凄い。」

あ、敬人はっけーん。とりま手を振っておく。

お、豆鉄砲でも食らったような顔だね。そんな驚く事かなぁ。

彩「まあまあ、考察はあとでいくらでもできますから、とりあえず今はここを出ましょう。地味〜に、気づかれてますから。」

Oh。まじか。

弓乃「それはまずいわね。急ぎましょう」

最後にちょっとハプニングが起きかけたけど、有意義な1日になった。

伍拾伍→←伍拾参



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作者名: | 作成日時:2020年8月24日 11時

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