第8の2話 ページ18
「それもそうだけど、私ちょっとおちつきないかなって思って。きれいなものとか見かけるとすぐに向かっちゃうし、朝は起きれないし…」
「それは…変えるのはむずかしいんじゃないか?なおせるのなら、もう怒られていないだろう」
今朝また寝坊してしまった私は、クシナさんに鬼のように叱られて落ち込んでいた。
今日は珍しく火影業務が比較的少ないミナトさんも加わっての修行だったのだが、残念ながら時間が過ぎてしまい仕事に行ってしまったのだ。
わざわざ少しとはいえ休める日を無駄にさせてしまって、申し訳がない気持ちでいっぱいだ。
ため息をつき、サスケ君の頬をつついていた指を軽く押し込んでぐりぐりすると、赤ん坊とは思えない低いうなり声をあげて手を叩かれた。
「しゅぎょうもそんなにうまくいってないし…ちゃんと守れるかな、ナルトのこと」
「自信をもて。おまえはいいあねになるさ」
さっとサスケ君を隠したイタチによって、私はサスケ君の眉間を狙っていた手が宙を彷徨う。
「あまりちょっかいかけるときらわれるぞ」
「わかってるよ、もうしない」
イタチの肩に隠されたサスケ君を覗き込む。
丸い頬に柔らかな肌、小さい手を黒髪に伸ばして遊んでいる姿に笑みが溢れた。
「ナルトとなかよくなってくれるかな、サスケ君」
「ああ、母さんたちもおれたちもなかよくなれたんだ。なれるだろう、きっと」
顔を見合わせて笑いかけてくるイタチに頷きを返す。
「ふふ、楽しみだなあ。クシナさんたちも一緒にみんなでいつか遊びに行きたいね」
「そうだな…おれも楽しみだ…」
ナルトが生まれるのは数ヶ月後。
明るい未来を夢見て、今日もおしゃべりに花を咲かせるのだった。
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作者名:うゆ | 作成日時:2019年7月13日 22時